13.簡易テント


翌朝、俺は森の拠点に家を作るべく材料を集めることにした。


まずは、その辺に生えている竹を集めよう。


爪で竹が切れるか試してみたところ、バターみたいにサクッと切れた。


……俺って化け物?


せっかくだから木も切れるか試してみよう。


そいやっ。


んー、感覚的にはソフトクリームだな。

普通に切れる。


メキメキメキ……。


俺が切った木が倒れる。


俺が寝られるくらいの広さでいいから、木は1本だけで十分だ。


まず木を長い棒に加工だ。

木から3本の棒を切り分ける。

残りは四次元空間に入れておく。


棒2本をツルで結ぶ。


手がにゃんこなので不器用になっているため、ツルを結ぶのは口も使いながら行った。

地味に大変だった。


棒を1本、ブスリと地面に斜めに差す。


あらかじめツルで結んだ棒をそこに立てかけて、頂点の場所に上り、ツルを使って結び、テントの骨組みっぽくする。


バジリスクの皮を取り出し、適当な大きさに切り分けて、穴を開けてツルを通し、骨組みに結ぶ。

バジリスクの皮は使い切ってしまった。


簡単そうに見えるかもしれないが、朝から作業を始めてもう夕方になる。

といっても途中で昼寝してたせいで遅くなっただけだが。


出来上がった簡易テントに入る。

人間なら2人くらいが入れるスペースだ。


念願の家を手に入れたぞ。

慎ましい出来だが、雨風しのげるだけでも良しとしよう。


明日は宿屋のネルに会いに行ってやるとするか。


バジリスクの頭を取り出し、枕代わりにする。


おやすみなさい。



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