30.9

 天気が良かったから、ヤンと散歩に出た。やはりこの時期になると少し肌寒く感じる。ヤンに上着を貸すと、俺のにおいがすると言っていた。ヤンの頬がほんのりと赤くなっていたのが、気のせいでなければ嬉しい。

 ヤンの肩を抱いて歩いていると、ただただ幸せだと思う。手を握ると、細い指で握り返してくれた。

 部屋に戻ってルッツの手を握ったら、ルッツもまた小さな指で俺の指を握ってくれた。

 幸せだ。

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