10.9

 使用人達のおかげで、ルッツとヤンとの時間を取ることができた。仕事の中で助けて貰ったからと時間を作ってくれたのだが、逆だと思う。俺があいつらに多く助けられている。しかし、せっかくの厚意だからと有難く受け取らせて貰った。


 ルッツがあやすと笑うようになってから、俺はなにかとルッツを構ってしまう。俺の手をルッツの顔の前にやると笑ってくれるのだ。笑い声が豪快すぎるのがなんとも言えないが、それもまた可愛らしい。

 ヤンには、ルッツが生まれてからの俺が子供のように笑うと言われた。ヤンからは、小さな子供と大きな子供に見えてしまっているのだろうか。

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