20.7

 スティーヴンが戻ってきた。最近のことを話すと、すぐにでもテオドールに休暇をと言ってきたが、俺もテオドール自身もそれは止めた。この一年近くで物の配置や人員も変わっているし、勘を取り戻す意味でもしばらくはテオドールが居た方が良いだろう。それに何より、テオドール自身がスティーヴンと共に働くのを楽しみにしていたのだ。そう伝えれば納得してくれたようで、早速テオドールに案内を頼んでいた。テオドールも張り切っていたから、今日は俺の仕事をニコラウスに手伝ってもらった。


 スティーヴンにルッツの紹介をしたところ、俺に向かって大きくなったなどと言いながら泣き真似をしていた。お前は俺の親か。俺が親になったんだ。

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