第126話 夏祭り編 下駄

カラン



コロン



「忘れ物ないですか~?」


「…おっけー」



カラン



「じゃ、行こっか~」

「…ちょっと待て、なんであたしの下駄履いてるのさ」



コロン



「ちっ、バレたか~」

「"バレたか~"じゃない、返せ」



カラン



「お願いっ、アタシのと交換してっ」

「は? なんで?」



コロン



「この浴衣セットさ~、安いのは良いけど鼻緒の色までは選べなかったでしょ~…?」

「…あたしの下駄のほうが好みだから変えてほしいってこと?」



カラン



「そういうことっ! おねがいっ!」

「なんだ、それだけ…」



コロン…



「ホントにイヤだったら返すけどぉ…」

「…良いよ。あたしは履けさえすれば、それで良いし」



カランッ



「ありがと~っ! …ふふっ、やった~っ」

「なんならさ、あたしの浴衣も次の機会で着れば良いよ。…ま、あたしは次がいつになることやら」



コロン



「マジでっ? 着るっ! あんたはアタシの着させるから安心してっ」

「まて、"着させる"ってなんだ…」

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