くだらない話と生まれた音

龍宮 円(たつマル)

第1話 歯ブラシ

スタスタスタ…



ガチャッ



「ねぇ…。アタシの歯ブラシさ…、また勝手に使ったでしょ…? 濡れてたんだけど… 」

「…ん~? ダメだった~?」



ニヤニヤ



はぁ…



「何度目だよ、もぉ…。別にそれくらい良いんだけどさぁ…」

「いや~、1度持つとさぁ? 変えるのってめんどいじゃんっ」



えへへ…



「ほんとコイツは…」

「あ~、怒ってんじゃ~ん。嘘つきぃ~」



むっ



「誰が嘘つきだっ、別にこれくらいで怒ったりしないしっ」

「うそうそ~。ほ~ら、み・け・んしわしわ~…」



グイ~ッ



ペシッ



「…っ、押すなっ。…ほんとに怒るよ?」

「…ごめんない」



ペコリ





フンッ



「以後気を付けるように、分かった?」

「うぃっ、了解です! 使ったら必ず言うようにしますっ!」



シャキーン!

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