第22話

そんなわたしの肩に

ファイルがぽんっと置かれた。


「なーに。いっちょまえに緊張してるの?」


なんで。いつも。この人は。

ちょっとした変化に気付く。

そして。そばに居てくれる。

手を出して待っててくれる。


わたしが握らないなんて選択肢

1ミリも考えてない。

鈍感なのか魔性なのか。

いや。きっと。ほんとに考えないのだ。


「なに言ってるんです?

緊張なんかしてませんよ。今日は様子見です。」


わたしも負けじ強がる。


「佐藤さんがよくわかんないことやってたら

バシバシやりますからね」

「はい。尽力します。」


たった一言で

わたしの不甲斐ないで埋め尽くしていた心が

ぱっ。と晴れた。


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