(練習帳)きまぐれ長門草紙
長門拓
第一部
「月」「少女」「希薄なメガネ」
時折、何の前触れもなしに少女の存在が希薄になることがある。
どう希薄になるのかという説明は難しい。それは希薄であるとしか形容できない現象なのだ。ところが先日、この一連の現象にある法則性を発見した。少女が部室の片隅で洋書を
ただ、月の綺麗な夜更けだけは、少女の存在が全く希薄でなくなり、僕の心のいっさいは少女の存在の
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