第4話 現状



 文明の進んだ未来世界では、いくつもの画期的なエネルギーが生み出された。

 だからそれも、その一つだった。


 人々の未来を明るく照らすための永久機関。

 作られた時は、誰もが喜んでいた。

 しかし予想できないトラブルが起きて、期待の永久機関は壊れてしまう。

 結果、大量のエネルギーが世界中に降り注いだ。


 それによって、大災害と呼ばれる事故が発生し、化学が発達した世界は滅びの道を辿っていたのだった。


 生き残った人達は、厳重なシェルターを作り、小さな箱庭の中で寄り添って暮らすしかない現状だった。


 シェルターに逃げ込めなかった人間は、当然死んだ。


 そもそも、逃げ込めた人間は少なかった。


 全人口の一割にも満たなかっただろう。


 だが、そんな人間にさらなる悲劇が襲い掛かった。


 大災害の影響で、世界の環境が激変。

 各地で様々な天変地異が起こるようになった。


 その影響で無事だったシェルターのことごとくが、海の底に消え、大きく割けた大地の底に消え、火山の熱に焼かれていった。


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