第2話 マグナ



 マグナは平凡な男子高校生だった。

 だがそれは、崩壊する世界の話ではなく、別の世界の話だった。


 魔法が存在し、幻獣が生きる、ファンタジックな異世界。


 創作物で語られる存在……異世界からやってきた少年。


 その少年は英雄でも、賢者でも、王様でもない。


 魔法に秀でているわけでも、特別な知識があるわけでも、変わった技能があるわけでもなかった。


 彼は、生まれ故郷ではただの少年だったのだ。


 けれど今や、そう思っているのは彼だけである。


 なぜなら彼は、世界の境界を超えて、この魔法のない、幻獣もいない科学の世界に降り立ってしまったのだから。



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