第16話 トックの死と不倫の因果応報


 芥川龍之介の小説「河童」の中の詩人トックが、山口県出身の中原中也の事だと言う。

 中原中也は、結婚していながら愛人の長谷川泰子と不倫で駆け落ちしたのだが、東京大学出身の批評家小林秀雄に愛人長谷川泰子を寝盗られた。

 山口県に残した長男文也の死に精神錯乱を引き起こし、結核性脳膜炎で亡くなった。

 

 詩人トックの自殺。

 天才と批評家。

 

 アフリカ大陸中部の村で一人の子供が産まれた時に、その父親が誰であるかで起きた村の内紛。

 母親は父親の名前を言わず、高い塔の上に閉じ込められた。

 村を襲う敵を監視する物見の塔。


 産まれた子供はしょっちゅう叫ぶ。


「狼が来たぞ!」


 子供の父親と名指しされた男は妻帯していたが、不倫の男女が結ばれた時間には、別の場所で雨宿りをしていたとアリバイ証明をし、村の裁判では潔白とされたのだが。


 イスラム教では不倫は死刑。

 女性も火炙りになる。


 不倫で産まれた子供の顔と、不倫相手の男の嫡子の顔の相似を指摘されたくない女性とその父親、子供の祖父は、不倫の子供の顔を醜く変えようと画策する中で、不倫で産まれたその子供は悪魔の子供と周囲に吹聴された。


 予兆はオーメン。


 悲劇の前触れなのだ。


 ハーレムを抱える首長。

 イスラム教の族長の小国家を纏める連邦国。


 ハーレムから追放された女性はオアシスで、車の給油と、コンビニエンスストア=便利店を経営していたが。


「ミツウラさん」


「オオクボさん、どうしたの?」


「さっき、ガソリンをディーゼル車に給油してた河童さ」


「ああ! あの麻薬密売人のガキの事?」


「さっき警察にも話したけどさ、あのガキの事」


「ああ! あのガキの事をね」


「似てるんだよね」


「誰に?」


 オアシスの湧水ゆうすいで逆さになって水死体となって発見された二人の捜査に派遣された人間。


 気象魔導学院から逃亡した女装青年と麻薬密売組織の関与。


 アリバイ証明として法皇庁が発行した気象証明書。


「気象魔導庁は人為的に雨を降らせてはいない」



 アリバイ証明の雨宿り。


 不倫の代償に派遣された死神の鎌は?


 誰の首を狩ると言うのだろうか?


 プレデター。


 不倫の代償で世界のトップがあの世に送られる場合もある。


 オシリスと弟のセトの妻の不倫で産まれた、山犬、狼の神のアヌビス。


 シリウスは天の狼、天狼星、大犬座の主星。


 シリは羊を数えるのだろうか?


 アンドロイドは電気羊の夢を見るのだろうか?


 従者は主人の命令待ちでマイク待機状態で付き従っている。


 主人が寝ている間も。 


 喘ぎ声は命令なのだろうか?


「ゴッド カミング!」


 神様が来るわ!


 神様が来るのか?


 狼が来るのだろうか?



 本当にあの晩。


 雨が降ったのだろうか?


 天の雨。


 人が降らせる雨。


 狐の嫁入り。


 天気雨。


 電気雨。


「リン様!」


 従者の少女に朝食のモーニングブレックファストの目玉焼き、サニーサイドアップエッグを作り、モーニングコーヒーを淹れる。


 スマホで現在地正確にしていないと、別の場所の天気が表示される。


 野暮リンは十数年前の夏に。


 雨を降らせる事は出来るのだろうか?!


 子供の日記?


 夏休みの課題の日記。


 イスラム教の村に派遣された修道女、福音伝道者エヴァンジェリスタが握る夏休みの宿題。


 失踪した行方不明者、修道女の捜索は、先程オアシスで殺人事件としての被害者として捜索は完了していた。


 人為的な雨降らし。


 アメンボだって生きているのだ。


 アーメンと唱えなくても。


 マラリア、日本脳炎ウイルス媒介させる蚊と、大麻から製造される蚊帳かや


 ニンニク!


 ニンニクマン?!


 ニンニキニキニキ!


 ニシンが三蔵!


 処女を捧げさせるヴァンパイア、吸血鬼。


 同じ蚊に血を吸われた者同士のシンクロ?!


 皮膚の万能細胞、日本の小保方晴子博士のSTAP細胞は皮膚にストレスを掛ける事で万能化させる技術なのだが、日本で否定された後で世界で特許を取っていた。


 早口言葉。


 東京都特許許可局?!


 人工降雨技術を特許出願した人間は、何処の国で特許を取ったのか?


 同じ技術特許は別の国でも特許出願出来るのだ。


 世界で一番特許権の期間が長い国は?!



第16話 了




 




 





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