299ページ目…帰宅
「ただいま~!」
「た、ただいま戻りました。」
アレから、僕達は忘れていたお土産を大急ぎで購入し、プリン達が待つ我が家へと戻ってきた。
幸い、プリン達が好みそうな物が買えたので良かったのだが、当初の予定よりかなり遅くなってしまったのでプリン達の機嫌が悪くなっていないか心配だったりする…。
「
鍛冶屋に行くだけで、いったい何日掛かったと思ってるんですか!」
「
「お疲れ様です、
プリン、ローラ、アリス…クズハを除いた、僕の嫁~ズが津波の如く押し寄せてくる。
「え、えっと…それは、その…。」
そんな彼女達の迫力に負け、ジリジリと後ずさりをする僕…そんな僕に見かねたのかクズハの助け船が入る。
「み、みなさん落ち着いて下さい。
その件に付きましては、わ、私の方から、ちゃんとご説明しますから…。」
「そうですね…確かにクズハさんから聞いた方が良いかもしれませんね…。
何せ、この5日間…ず~っとご主人様を独り占め…もとい、一緒だったですから…。
ご主人様と何処で何をしていたのか…それこそ、事細かに…回数やら、どんな体位でしたとか聞かせて貰いましょうか…。」
「あ、あの…それは流石にちょっと…それに、殆ど、他の人が居ましたので…。」
そんなプリンの質問に、クズハは顔を赤くしながら弁解をする。
だが、それはプリンには通用せず…。
「ほほ~ぅ…つまり、ご主人様と一度も無かったと?
よもや、ご主人様と一緒に居て…ご主人様が求めても、貴女は一度も無しで我慢出来た…と、そう言うんですね?」
クズハを詰め寄るプリンの顔に、邪悪な笑みが浮かぶ。
「クンクン…クズハ、嘘吐きは
ローラがクズハの匂いを嗅いで嘘だと言い出す。
確かに、ローラの嗅覚はフェンリルと言う事もあり、異常なまでに優れていると言っても過言ではない。
「い、いえ…私は一度もしてないとは言っていません。
それにその…移動中は二人きりでしたので…その…。」
いやまぁ、確かにしてないとも言ってないが、したとも言ってない…しかし、その判定はグレーかな?と思う。
と、言うよりクズハよ…そんなにしどろもどろで答えたら、完全にアウトと言ってる様な物かと思うんだけど…。
「まぁまぁ、お二人とも…そんなにクズハさんを責めるのは止めましょう。
そもそも…クズハさんは、あの時、ジャンケンで見事勝利を収め、御主人様に付いていく権利を得たのですから…。」
おや?アリスがクズハを庇うかの様に、まともな事を言っている。
僕はてっきり、他の嫁~ズ同様に、クズハに問い詰めると思ったんだが…。
「アリスさん、貴方、自分が何言ってるか分かっているんですか?」
クズハ擁護が気に障ったのか、アリスを詰め寄るプリン…。
「はい、もちろん判分かってますよ?
ですから、私からの提案としましては、クズハさんが御主人様と旅行した間、クズハさんが御主人様に愛された分と同じだけ、私達も愛されれば問題ないじゃないですか?」
と、アリスが嫁~ズに核爆弾を投げ込む。
それは、単純計算でクズハの3倍の労力が居ると言う事を意味する…。
「なるほど…流石は、アリスさんですね。
確かに、その手がありました♪」
そう言って、パンッ!と手を叩く。
そして、プリン、ローラ…アリスまでもが獲物を狙う狩人の目へと変わっていく…。
「あ、あの…お手柔らかに…お願いします…。」
堪らず、ジリジリと後退するも、直ぐに玄関に阻まれ、これ以上は逃げる事が出来ないと覚悟した僕は、やっとの思いで、それだけ告げる事が出来た。
「あら、大丈夫ですわ…万が一の為に、ちゃんとエリクサーを用意しておきますから♪」
そう言って、何かを我慢する様にモジモジするプリンを始めとする嫁~ズ達…。
って、プリンさん、確かに奇跡の薬とも呼ばれる
そもそも、ポーションを使う様な状況ですら、本来であれば、全員にクズハにした様にしたとしても、お釣りが来る筈なんですよ?
それなのにエリクサーって…僕、死んじゃいますよ?
あ…死なせない為のエリクサーだった…。
軽く、死刑宣告を受けた様な気分になりながら、クズハを除く全員に連行され、寝室へと向かう僕…。
そして、クズハは…と言うと、僕の方に向け、軽く手を振り止める事はしなかった…。
「ちょッ!?お前等、待てって!まだ心の準備が、あ~~~~~ッ!!」
寝室から響き渡る僕の声、しかし、誰も助けに来る事もなく夜は更けて行くのだった。
翌日、無惨にも干からびた(様に見える)僕が、クズハによって寝室から助け出されたのは言うまでもない。
合唱、チーン…。
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