234ページ目…プリン復活大作戦【2】
確かにダンスラ(ダンジョンのダンジョン担当のスライム)の言う通り、僕は
そんな事を考えつつ、クズハを無限庫に入れようとする。
が、残念ながらクズハは無限庫に入れる事が出来なかった。
〔えっと…クズハで試したんだが、無限庫に入れる事が出来なかったよ。〕
〔そうですか…だとしたら、プリン様を復活させる事が出来る可能性が一つありますね…。
ですが、ご
最悪、死んでしまう可能性もあったのでは?〕
僕はダンスラに言われて、自分がしでかした事に対して顔が青くなる…と言うか、背中に寒気が走る。
確かに、クズハで試す必要は無かったはずだ…まぁ、無限庫の中では時間が進んでいないのだから実際には大丈夫だとは思うが…息が出来るかどうかすら分からないのだ。
まったく、僕は何て怖ろしい事をしようとしたんだろう…。
そこまで考えて、ふと思う…プチスライムやプチドラはプリンが分裂により生み出した物である。
だとしたら、そのスライム達は擬似的ではなく、普通に生きているはずだ。
では、何故、ペットとして側に…と渡されたプチドラは無限庫に入る事が出来たのだろう?
〔それは、そのプチドラがプリン様同様の特殊個体で、魂が入っていないのでは?〕
どうやら、僕の考えが念話を通してダンスラに届いていた様で、疑問の答えが返ってくる。
〔え?魂が入っていないって…どう言う事?〕
〔いえ、本当の所は分かりませんので、あくまで想像ですが…そもそもプチドラは、ドラゴンの力を与えられた特殊な個体…ここまでは良いですか?〕
〔はい、大丈夫です。〕
どっちが立場が上なのか…ダンスラは先生よろしく教えてくれる。
〔では、次です…本来、無限庫には生き物が入る事が出来ない以上、無限庫に入っているプチドラは生きていない事になります。
ですが、主様がペットと言っているからには、無限庫から出したら動いているのですよね?〕
〔あ、うん…でも、基本的に僕の命令を受けない限り動かないよ?〕
何故か、他のプチドラ達みたいに命令しないと動いていない個体なのだ。
〔そう、問題はそこなのです。
つまり、生きてるはずの特殊個体が無限庫に入っている。
また、主様の命令を受けないと動かない…何かに似ていると思いませんか?〕
そこまで言われて、ようやく気が付く…つまり、ダンスラが言いたいのは…。
〔〔プチドラは擬魂で動いている。〕〕
ダンスラと僕の言葉が重なる…正確には思念だが…。
ついでに、微かに微笑んだイメージが伝わってくる…いったい、どうやったのやら…。
何はともあれ…だとしたら、プリンを復活させる鍵はそのプチドラと言う事になる。
そもそも、プリンがプチドラを作るきっかけは、自分が死ぬ可能性があるから…自分がいなくなった時に僕が寂しくならない様に…保険と言っていた。
ならば、あのプリンの事だ…こんな時の為の保険だったのではないのか?
〔ありがとう、さっそく試す事にする!忙しい所、すまなかった。〕
〔いえいえ、こちらも僅かでも、お役に立てたのなら幸いです。
それでは、失礼させていただきます。〕
ダンスラはそう言うと、僕との念話は終了させる。
確信はない…だけど、プリンは絶対に復活する。
そんな期待に胸を膨らませ、僕は無限庫からプチドラを取り出す事にした。
しかし、僕の質問やらに対して、ダンスラ(ダンジョン担当のスライムの略)は的確かつ明確に返事をしてくるな…って言うか、まるで何処かの優秀な執事みたく凄過ぎじゃね?
まぁ、役立たずに比べると優秀な方が良いのだが…それって、本を正せば、プリンが優秀だからって事だよね?
そう考えると、ちょっとプリンの優秀さが心配になって、寒気がするのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます