～僕の異世界冒険記～異世界冒険始めました。

108ページ目…チェック終了

　ふむふむ…どうやら、動きに関しては問題ない様な気がするが…何か違和感がある。

　いったい、この違和感は何だろう…。

　そう思っていたのだが、違和感の正体は、比較的すぐに分かった…。

「レオ、こっちおいで～。」

　チェックを終えたレオをプリンが呼ぶ。

「ガウッ！」

『タッタッタッタッタタッ』

　あッ！何事もなく走っていたと思ったら、プリンの元に辿り着く寸前、バランスを崩し掛けた。

　バランスを崩す…本来のレオにはあり得ない事だ。

　だとするならば、コレは…もしかして…。

「プリン、レオの事なんだけど…。」

「はい、なんでしょう？」

「レオにドラゴンの素材を混ぜた時の話を聞きたいんだけど…。」

「ですから、パーツ毎ごとに鱗やら爪を…こう、グニグニと…。」

「パーツ毎って…それって、どれだけ入れたか分かる？」

　すると、プリンは驚いた様な顔をして、こう言った。

「えッ！？それって…重要なんですか？」

　僕は、その言葉を聞いて唖然とする。

　つまり、プリンは均等に素材を混ぜたのではなく、適当に混ぜたと言っているのだ。

　そんな事をすればどうなるか…当然、バランスが崩れる。

　とは言え、融合してる間は、僕もドラゴンの素材をレオに混ぜる事を考えていたのだから、プリンだけを責める訳にはいかない。

　何せ、融合する時に、記憶までも混ざる為、記憶の共有が発生するのだから…。

　とは言え、記憶を共有しても、その記憶を引き出そうとしない限り、詳細までは分からない。

　なので、混ぜる事は分かっても、比率などの大事な所までは気が回らなかった様だ。

「そっか…えっとね、レオはプリンと違って、自分では姿を自由に変えれないんだよ。

　だから、ちゃんとバランスを整えてあげないとダメなんだ。」

　僕がそう言うと、プリンは首を傾げる。

「まぁ、細かい事は分からないだろうから気にしなくても良いけど…コレからは、一人でするんじゃなく、僕と一緒にやろうね？」

「はい、よく分からないけど、これからはご主人様とやれば良いんですね♪」

「うん、今度からは…ね。

　それじゃ、ちょっと僕はレオの性能を確認したいから、レオと散歩に行ってくるから、プリンはお留守番をお願いするね。」

　僕はそう言うと、プリンにお留守番をさせつつ、レオを連れて山を登り始めたのであった。

◆◇◆◇◆◇◆

「あちゃ～…ここも、左右のバランスが可笑しい…こっちもか…。

　これは一度、潰して新しく作り直した方が早いな…プリンには悪いが、仕方がない…ちょっと手直しってレベルじゃないし…この際だから、新機構も詰め込むか…。」

　僕はそう言うと、〖スキル：魂強奪（ソウル・ドレイン）〗を使い、レオから疑似魂を抜き出す。

　そして〖魔法：模型創造（モデリング）〗を使い、金属の塊に変えていく。

　その際、素材の成分が均等になる様に、攪拌（かくはん）するのを忘れない。

　こうして作り出した金属の塊なのだが…再度〖魔法：模型創造（モデリング）モデリング〗でレオを作り出そうとしてある事に気が付く…。

　レオの形って、どうだったかな…改めて作り直そうとして気が付いた凡ミスである。

　とは言え、プリンには散歩と言って出掛けている以上、それほど時間を掛ける事は出来ない。

　仕方がないので、僕は奥の手を使う事に決めたのだった…。