97ページ目…ドラゴン戦【1】
『ガキーーーン!…ズザーーーッ!』
しまった!斬れなかった…僕の攻撃は竜ドラゴンの鱗に阻まれて、斬撃が打撃になってしまった。
そして吹っ飛んだ先にはプリンがいたのが見えた気がした…。
「プ、プリンッ!?」
僕は慌ててプリンに声を掛けるが、プリンの姿はそこには無かった。
「ご主人様、呼びました?」
「よ、良かった…って、いつの間に僕の後ろに回り込んだんだ?」
「ご主人様が攻撃を仕掛けた瞬間ですよ?」
「そ、そうなのか?まぁ、無事で良かった…。」
はて?僕はプリンから目を離したのは、ドラゴンに攻撃を仕掛けた一瞬の間だ…。
どうやって僅かな一瞬で移動したのだろう?
とは言え、無事なのだから問題はない…はずだ。
「その事なんですが…お借りした長剣…
マジかッ!?プリンに渡したのは、僕の持ってる武器の中で一番強い剣だぞ?
とは言え、竜の左前足…左腕を斬り落としただけで使い物にならなくなるなんて、予想外にも程がある。
あと使える武器と言えば、ダンジョンの壁を素材とした
しかも、ダンジョンブレードに関しては耐久重視で、それほど斬れ味は良くないし、魔力を流し込まないと、強度を保つ事が出来ない。
そうだ…今の僕ならスタトの塔よりも、比べ物にならないほどのレベルアップで、かなりMPやSPの最大値がかなり増えている。
だったら…久しぶりにあの技を使っても良いのではないだろうか?
僕は深呼吸をして、そして…そこから一気に集中する…。
そして、プリンと戦った時の感覚を思い出す。
「〖魔法:
僕の目の前に、複数の火炎球が現れる…だが、ここで制御をミスったら大惨事だ。
ドラゴンの動きが気になる物の、ここで集中を途切れさせる訳にはいかない…。
僕は、頭が痛くなって来るのを感じつつ無理やり制御し、火炎球を圧縮し右手で握り潰すと、その痛みを振り解くが如く大きな声で叫んだ。
「
次の瞬間、頭の中に『パキンッ!』と何かが割れる様な音が聞こえ、不思議な感覚が甦る。
そうだ…この技は、じぃちゃんの…。
そして、僕は技を完成させる…今回は、火属性…つまり、技の名前は…。
「
魔法と
何故、こんな記憶と力が僕にあるのかは分からないが、制御の仕方と使い方が頭に鮮明に浮かぶ…コレなら、以前と違い、僕にダメージはないはずだ。
そして、次の瞬間…僕の手には両手剣ほどの大きさのある炎の大剣が握られていた。
「DRAAAAAAAAAA!!」
「はぁぁぁぁぁッ!」
ドラゴンの方も、僕の力に危機感知が警告を出したのだろう…完全に標的が僕へとなっている。
そして…互いの掛け声を合図に僕とドラゴンの最終局面へと移行したのだった…。
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