第10話
「ふう。やはりアーススキルが出てきてた見たいよ。」
「やはりかね。君の親父さんの亡き後彼女は狂い君たち兄妹すらも狂わせたけどまさかここまで狂って居たとは。」
俺はミーナ達が更衣室に入ってから1秒で髪を簪で纏め上げ男装と制服に着替えマスターと会話をしていた。マスターの話からわかると思うが俺には妹が居る。彼女は学園には居ない。狂った母について行った。俺が女装を反抗をすることで母は俺を見限り去って行った。そして明らかに母の犯行と思わしきモノがアーススキルという組織には合った。
マスターに混じってミルを引きながら話す。
「サクソン人。そう呼ばれるのは異世界で勇者と呼ばれ召喚され続けた者の総称。今でこそイングランド人の祖でこそあれどその民族のみ使用が許された剣はまさに聖剣と呼ぶにふさわしい。くたばってしまったが君の父はいい勇者だった。」
「違うだろ。いい「槍使い」だっただろ。」
「違いない。君と初めてあってそのことを話したら君は本当に強くなったよね。」
出会い
それはこのマスターであった。強くなるきっかけとなる話がマスターにはあった。それを自分流に昇華させた。苦難の道のりを頑張ってきた証明でもある。
「妖刀使いに勝つにはまだ足りないと思うけどな。妹も多分スキル昇華をしている可能性がある。恐らく剣使いからのスクラマサクス使い。それにアレはダブルスキル持ちだ。もう一つのスキルは俺も知らないが死闘になるだろう。」
妹もまた母に依存していた。歳を考えれば仕方ないとしか言えない。だが心配なところもある。母の妖刀だ。割符の中にある刻印は全て妖刀がつけたモノだ。妖刀には意志がある。故に扱いが難しい。槍使いのスキルを持つ俺でさえ意志を持つ武器を相手に使うことは不可能に近い。
リュヒルの魔法具 雷槍 イナヅマもその意志を持つ武器の模倣品でこそあるが正しい使い方をすればドラゴンを倒した比ではない程の強力な攻撃が放てられる。
妖刀はそのさらに上を行くのだ。民族剣の担い手達はその一族の未来を託される。だからこそ妖刀に近いモノが生まれ争いが起こる。マスターも昔父と共にそれらを止めようとした仲間だったと俺は聞いていた。
「姫路の魔王の眼に槍を向けた者に例えられる人間がよく言うよ。」
「ただのモヤシさ。親父のように虎にはなれなかったよ。虎と闘う魔王のいる時期に生まれた隻眼の天下取り。」
「虎か。雀の私には少々荷が重いかな。それに寒いところは苦手だしね。そろそろ彼女達も着替え終わる頃だしコーヒーを入れようか。」
そして2つのコーヒーを入れていく。ゆっくりと時を待ちながら。
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