第4話 花冷えの季節4

 『涼也くんは、開拓者だね。いつか世界を変えてくれそうだな』


 周りによくそう言われてるの。俺


 俺は、演劇の脚本とか演出、言ってみれば裏の事に興味があるんだけど


 英士にぃは、絵とか、フィギュアとか、美術系の


 造形に関しての、美的感覚って言うか… 誰にも入り込めないような独特の世界観を持ってるの


 普段はさ、おっとりって言うか、一人の世界に居たい時は、邪魔するなんてありえない


 変わってると言うか何と言うか


 けど、風ちゃんと、俺とさ、ふざけてくれる時は

とことん付き合ってくれて


 俺の事、子犬系とか言うけどさ、どっちかつーと、

英士にぃだって、そっち系統の童顔な顔立ちだよね


 俺が勝てないのは


 風ちゃんからの信頼の厚さ。風ちゃんは英士にぃの事すげぇ頼りにしてるし、英士にぃも風ちゃんを…


 甘えたりさ…


 二人の互いへの信頼度は


 俺には入り込めない世界…


 



 

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