偽物の愛はない…本当の愛を知らないから、勘違いしてるだけ。

▽[俺は…お前が好きだ]

トオルはベッドに座り込むなり言った。

[分かってる]

俺の返事など待たず、聞こえなかったかのように、トオルは話を続けた。

[お前は、俺と同じ世界の住民だ。とか、双子のようだ。とか言ったよな]

トオルは俺と目線を合わせない。怯えてるトオルがそこにいる。

[俺も探してた]

呟きに近い俺の返事。

[俺も探してた…俺の全てを理解してくれる人を…俺を許してくれる人…依存出来る人…やっと出逢えた。ついに見つけた]

トオルは言う…言葉は続く。

[だがお前は違う人を愛してる]

苦痛から逃れる為に出し絞った声…心の痛さに耐えられない悲鳴。

トオルは間違っている…俺も間違っていた。

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