体温


偽りでも誰かがいつもそばにいる…安心感は一種の快楽。


▽[おはよー]

起こされる…一瞬の混乱…理解する。


オレンジと生活するんだった。


オレンジは既に着替えていた。


[一応、立つんだね]

笑いながらオレンジは言った。


朝立ち…痛い位に勃起していた…生理現象。


眠気は無くならないが、ネガティブな感情は完全に無くなっていた。


人生はなるようにしかならない…悩んでも、考えなくても。


じゃあ、マコトを捜せば?会いたいんだろ?好きなんだろ?


勃起中…興奮すると思考はすぐにマコトに飛ぶ。


オレンジが寝ている俺の上に馬乗りになり、軽口を言った。

[今だったら入るかもね]


今の俺のS○Xとはシックスナ○ンの体位しか思い浮かばない。


騎乗位…あったな。そんな体位…な思い。


オレンジを抱き締める…温かい。

人肌がこんなにも安らぐなんて…マコトがいなくなってから気付く。


[いつだって失ってから気付くんだな…]

俺は呟いた。


[何?]

オレンジの問いに

[飯食うぞ]

と誤魔化した。


オレンジは素直にどいた。


[喫茶店行くか?]

冷蔵庫には飲み物しかなかった。


[私はダイエット中だけど行くよ]

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る