転がり堕ちる


…堕ちるのは簡単…登るのは大変…


▽時間は23時…7800円…安いチェーン店の居酒屋で、この会計金額はそうとう飲むか、食わなければ出ない数字…俺達はツマミを頼んでない。


マコトを呼び出す。


マコトはすぐ来る…アイツも基本的に寂しがり屋…。


すぐに来た…

二人だけで飲むなんてズル~い。

開口一番マコトは拗ねた。マコトの武器。


機嫌を取る…3人で飲み直そうぜ…コンビニで酒を買い、ラブホで飲もうよ。

俺はそう提案する。


[俺もユダもタチなんだよね]

怪しげな笑みを含みながら、トオルが追い討ちをかけた。


ナイス!


マコトはウケ…ラブホで酒を飲む…その後に何が起こるかは簡単に想像出来る。


飲み屋街からラブホ街へ。


マコトを真ん中に挟み、3人で腕を組みラブホへ向かう。


他人の視線…かまわなかった。


どうせ俺は狂ってる…世界も狂ってる。

ソレを分かっているのに、見て見ぬふりするお前らも狂ってる。


叫びたかった。


ふと、中国の偉い坊さんが唱えてた言葉を思い出した。

[ありのままを受け入れよ]

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