第17話

ゴホッ、ゴホッ

「学校に休むって連絡入れといたわよー。大丈夫? お母さん今日も仕事遅いからきつくなったら連絡しなさいね! 食べれそうだったらおかゆあっためて食べて! 薬はここ置いとくから。ついていられなくてごめんね、いってきます」

「大丈夫。いってらっしゃい」

風邪をひいた。小学生のときぶりに割とこじらせている。頭痛いし、熱あるから体重いし寝とこう。ちなみに、インフルエンザじゃない。


\ピコーン/

ん? メールか。ってか今何時だ? うわ、めっちゃ寝たわ。

“ふーくん、大丈夫? 朝お母さんに会って帰り遅いって聞いたけど、何か欲しいものある? 帰りに買って行こうか?”

さくらか、学校終わったんだな。何かこのメッセージ…彼女みたいじゃね? えー、嬉しすぎるんだが! うわぁー、会いたい。そりゃ、会いたいんだよなぁ。でも、うつしたくないしなー…。えー、むず! 何て返したらいいんだよ!あー、でもまぁ…。

“わりぃ。寝たら良くなってきた。心配しなくていいから普通に家帰っていいぞ。 気使ってくれてありがとな”

こんな感じか? 来てくれたら嬉しいけど、我慢だ。すぐ治して会えばいいだけだろ。もっかい寝よう。


\ピーンポーン/

…ん?

\ピーンポーン/

誰だ? あ、まさか…さくら? えー、来なくていいって言ったのに〜。まぁ嬉しいんだけどな!

「はーい…」

「おぅ! 史人、大丈夫かよ〜 ミネラルウォーター買ってきたぞー!」

…智。なぜ、なぜ智。いや、嬉しいよ。あと、さくらに来なくていいって連絡したのは俺だよ。でもなぁ、タイミング的に期待するやん。何だよー…。

「お、おぅ。さんきゅ。もうけっこう治った」

「えー? めっちゃ元気なさそうだけど。あ! 俺何か作ってやろうか?」

「いや、大丈夫。うつしたら悪いし」

「そんな元気なさそうに言われてもな〜。作ってやるよー!」

はぁ、何で男の智に看病されなきゃなんねぇんだよ…って。ん?

「ふーくん! あ、智くん来てたのかー! あー!もしかしてミネラルウォーター被ったー? くぅー、まぁ水分補給大事だしいいか!」

さくらー!!!!!

「お、さくらちゃん。あ! こいつ元気ないからさぁ、看病してやってくれない?」

…ん?

「え! ふーくん、大丈夫!? やっぱメールのは嘘か! 看病は任せといてー! 智くんは?」

「俺さぁ、今日バイトなわけ〜。わりぃけど頼むわー! 何か作れそうなくらいの食材贈呈して帰りますわー! あとはよろしく! 2人ともじゃーなー!」

…んん??

「気をつけてねー!!」

「え、あ。またなー」

…んんん!?

「ほら、ふーくん! 冷えちゃうから中入って!」


…智、ありがとう。だが、久しぶりで突然の2人きりはビビるわ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る