第359話
ええっと…男と女の友情はないと思います。人それぞれですが、相手が少しでもタイプで一度でもドキッとしたら友情の枠を越えます。
私は真剣な気持ちで恭子先輩にLINEを返す。この問いは永遠に繰り返される難題であり、永遠に答えが分からない問いであるから私の素直な思いを伝えた。
恭子先輩の返事の返しが早く、速攻で既読がつき、えー…ってショックで落ち込むうさぎさんのスタンプが可愛らしい。
もしかして、恭子先輩は男友達に告白されたのだろうか?だから驚き、男と女に友情は成立するのかと悩んでいる。
「芽衣」
「何?」
「男と女に友情は成立すると思う?」
「うーん、相手による」
「相手って?」
「歳が近い人とは難しいんじゃないかな?最初は何とも思っていなくても、何かきっかけで変わるかもしれないし」
確かに芽衣の言う通りだ。年齢が近いともしかしてがある。そして、年齢が離れると友情か発生するかもしれない。
「どうしたの?」
「恭子先輩からの問いかけ」
「そうなんだ。男女の友情って難しいよね」
とりあえず、恭子先輩に問いかけの理由を聞く。このままだと気になるし、恭子先輩が激しく落ち込んでいる。
「あっ、バス停に着いた。水希、バイバイ」
「うん、バイバイ。気をつけてね」
芽衣と手を振り合い私は携帯をジッと見つめる。恭子先輩のために何かしたいけど、恋愛系はもう疲れたし、流石に先輩の恋路はアシストできない。
「はぁ!?嘘でしょ!」
バスの中で大きな声を出してしまった。慌てて私は口を押さえる。男女の友情問題はお姉ちゃんだった。恭子先輩はお姉ちゃんの事で悩んでいる。
まさか、既婚者の人とお姉ちゃんが仲良くなり友情を育んでいるとは…マジか。相手は年齢が若い人で…もし、不倫だったら私はお姉ちゃんに何度叩かれても絶対に止める。
私は急いで次のバス停で降りた。家の最寄りのバス停まで待てない。
急いで恭子先輩に電話をし、お姉ちゃんの相手について聞くことにした。あのお姉ちゃんが…ってドキドキする。
「恭子先輩!相手どんな奴なんですか!」
「ええっと、既婚者で若い人ってぐらいしか分からない」
「不倫とかじゃないですよね!」
「違うと思うよ。本当に友達みたい」
「でも、恭子先輩は2人の仲を疑っているんですよね?だから、男女の友情を聞いてきたんですよね!!!」
「いや…その、、今度、菜穂がその人と会うみたいで大丈夫なのかなって」
「ダメですよ!相手、既婚者なんですよね!もしもがあったらどうするんですか!私が断固会うのを阻止します!」
「いやでも…本当に友達かもしれないし」
「歳の近い男と女に友情なんて…あるかもしれませんが若い既婚者はダメです!私が許しません!そいつ、絶対に浮気者ですよ!」
「いや、でも…」
「でもじゃありません!そいつとお姉ちゃんが会う日に私がお姉ちゃんの洋服を全部隠します。ヘッドロックやキャメル・クラッチを掛けられても洋服の在処を言いません」
「水希、うるさい。近所迷惑でしょ」
「分かってるよ!うるさいな…あっ、お姉ちゃん」
「水希の声、家の中まで聞こえてきたわよ」
「あっ、、あっ、恭子先輩、また後で…」
うぅ、お姉ちゃんが仁王立ちをし恭子と何を話していたの?っと聞いてくる。
怖いけど、負けない。お姉ちゃんの為に悪役でも何でもなってみせると決めた。
「お姉ちゃん!不倫はダメ!若い男と女の友情は成立しないからね!って…痛いー」
「はぁ?何言ってるのよ。不倫なんてするはずないでしょ」
「既婚者の男性と今度会うんでしょ!それって不倫じゃん!だから、全力で阻止する」
「既婚者?えっ?あー…ジュンさんのこと?はぁ、、勘違いよ」
「どこがよ!ジュンって男じゃん」
「ジュンさんは女よ!恭子からどんな話を聞いたのか知らないけど勘違いよ」
へっ、、女…恭子先輩のバカ!恥ずかしい…勘違いしてお姉ちゃんを守るんだと奮起していたのがめちゃくちゃ恥ずかしい。
「私、恭子には女性って言ったのに」
「えー、そうなの…(恭子先輩め、ちゃんとお姉ちゃんの話を聞いてなかったな)」
「ジュンさんはついでに言うと海外の人よ。晴菜さんの紹介で知り合ったの。私が本格的に英語に取り組みたいって言ったら海外の人と仲良くなって英語を普段から話した方がいいと言われたの」
「うぅ、、ごめんなさない」
「今回は許してあげる。私のこと心配してくれたみたいだし。所で男女の友情って何?」
私は男女の間の友情について持論をお姉ちゃんに説明した。この問題は永遠の…
「男女の友情なんて時と場合になるからそんなの本人次第よ。大体、同性同士でも友情を超えることあるのに友情なんて言葉は無いに等しいの。人間は他人に抱く気持ちは好きか嫌いの感情しかない。だから、好きだったら友情を超える気持ちを持ってしまうかもしれない。大っ嫌いな相手じゃない限り恋は分からないし、友情なんて曖昧なのよ」
ハッキリ言い切ったお姉ちゃんがカッコいい。そうだよね、友情は曖昧で難しい感情だ。結局は本人次第なんだ。
「ほら、そろそろ家に入るわよ」
「はーい」
逞しい姉の背中はカッコよく、めちゃくちゃ憧れる。私が一番尊敬する人で、一生敵わない人の背中だ。
この後、私はおかずの唐揚げを一個取られる。疑った罰として…恭子先輩のせいだ。でも、ちょっとだけ嬉しい…マゾではない。
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