第158話
髪型良し!服装よし!プレゼント良し!コンタクト…何でないの!?えっ、どこ探してもない。うわぁ、、ストックがないの気付いてなかった。
買いに行くのは今からじゃ無理だし、今日は諦めて眼鏡で過ごすしかない。せっかくのクリスマスなのに朝からついてないよ、、
「お母さん、行ってきまーす」
「はーい、楽しんできてね」
「水希、クリスマスだからって芽衣ちゃんに、、うぅ、、ダメよ!」
お姉ちゃん、朝からどんな心配してるのよ。無理させちゃダメよって言いたいのは分かっているし、お姉ちゃんは心配性すぎる。
とりあえず「分かってるよ…」と返事して、急いで待ち合わせの場所まで向かう。
最初は私が芽衣の家まで迎えに行こうと思っていた。でも、クリスマスデートだから待ち合わせしたいと言われ駅まで向かう。
芽衣が1人で待ち合わせ場所にいて欲しくないから先に着かないと。ナンパされるかもしれない!絶対に阻止しないと。
よし!芽衣より先に着いた。クリスマスに恋人と過ごせるって胸をドキドキさせる。こうやってイベントで一緒に思い出をつくれるって嬉しい。
もうすぐ来るかな?流石に30分前だから、、あっ、芽衣が走ってきた。へへ、可愛い。
芽衣に手を振ると、なぜかいきなり立ち止まり私をジッと見てくる。えっ?顔にご飯粒付いてる?出かける前に鏡で確認したから大丈夫のはずなんだけど。
うぇっ、怒ってる?何で?って思っていると急に小走りで来て隅っこに連れてこられた。
「眼鏡…」
「あっ、コンタクト切れてさ」
「バカ、、眼鏡は私の前だけにして」
「えー、、可愛い///」
へへへ、コンタクト切れて良かったかも。いきなり、こんな風に甘えてくれて嬉しい。
いまいち、自分が眼鏡似合ってるか分からないけど芽衣の中では胸キュンするらしい。
私のことチラチラ見てきて、そんなに私の眼鏡姿好きなのかな?顔が乙女になってる。
「クリスマスだから、人が多いね」
「うん。芽衣、私にしっかり捕まってね」
電車の中は混んでいて、背の低い芽衣は吊革に掴めない。だから、私が芽衣の吊革の代わりだ。へへ、抱きつくみたいに引っ付かれて得したかも。
周りを見渡すとカップルらしき人達が多い。手を繋いでいたり、流石クリスマスだな。
私達はどう見えてるかな?多分、友達だろうな。だけど、それでいい。
受け入れてくれる人達ばかりじゃないと分かっている。私は日々を穏やかに芽衣と過ごしたいだけだから気にしない。
最初は堂々と出来ない恋に悩んだ。我慢させてしまうんじゃないかと思って。
でも、それは仕方のないことで。色んな恋があるように色んな付き合い方がある。
当人が幸せと思える恋ならそれでいい。私が散々悩んで出した結論だ。実際、幸せだし。
ほら、芽衣が楽しそうにイルミネーション見に行こうねって話している。この笑顔が見れたらそれでいい。
「あっ、水希。見てみて、可愛い」
「本当だ。可愛い」
可愛い小物を見ながら私達はクリスマスデートを満喫する。お店にはクリスマスの定番ソングが流れ、気持ちを昂らせる。
ワクワクが止まらないよ、イベントの日ってみんな目をキラキラさせてるよね。
「芽衣、甘い物でも食べに行く?」
「うん!」
「この店どうかな?」
「行きたい!」
ずっとリサーチして行きたかった店に芽衣と行ける。ここのパンケーキのお店美味しそうで、行くなら絶対に芽衣と行きたかった。
あっ、芽衣が腕を組んできた。ちょっと照れるけど嬉しい。
今日の芽衣は髪型も服装もとびきり可愛くて、それにこの身長はズルいよね。149.5センチって、、あっ違った。150センチに伸びたんだ。149.5センチって言ったら怒られる。
顔がめちゃくちゃ可愛くて低身長。私の心を鷲掴みする(別に変態思考じゃないよ)
だけど、それは私以外の人も同じでチラチラと芽衣を見る人がいて嫌な気持ちになる。
お姉ちゃんの言う通り、芽衣はモテるよ。ラブレターも貰ってるし…私が男だったら芽衣はどストライクだもん。
ラブレターか、今時古風だよね。だからこそ、真面目さを感じるけど芽衣とは話したことないから見た目で惚れてるよね。やっぱり、真面目じゃない!
「水希、どうしたの?」
「芽衣がチラチラ見られてる…」
「それは水希だよ。さっき、お店の中に同じ学校の子がいた…」
「そうなの?気づかなかった」
「水希が見られてて嫌だったもん…」
ふふ、私も芽衣も同じ悩みで拗ねている。パンケーキを食べたあと早く2人っきりになりたいと言われ顔がニヤける。
でも、まだイルミネーションも見てないしせっかくのクリスマスだからデートをもう少し満喫しないとね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます