第148話
ミクロのような君に出会い〜♫〜♪〜♩〜
鍵盤を弾く指に力が入る。ごんちゃんもこんな気持ちなんだね。自分が作詞した曲なんて気恥ずかしいって思っていたけど、気持ちがかなりこもるよ。
歌詞に懐かしさと切なさを感じながら、私は芽衣への気持ちを歌う。今が芽衣とラブラブだから歌えるのかも…今もこの状態だったらキツいもん。
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ロウソクの炎の様にゆらゆらと揺れ
ハッピーエンドで進むと思った物語は
あっさりと打ち砕かれる
嘘のない言葉はどうすれば伝わる?
ノイズのない世界はどこにあるの?
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もう、こんな気持ちになりたくないな。芽衣と付き合えた時、このまま順調に進むと思っていたからキツかった。いつも芽衣を泣かせてしまい、恋は本当に難しい。
好きな人の言葉だけを信じたいのにノイズが邪魔をし耳に張り付くんだ。
聞こえてくる噂が耳を塞いでも、心の奥底に残ってしまう。そして蓄積され、爆発する。
結果的に私と芽衣は愛が深まったけど、できれば穏やかに過ごしたい。芽衣だけを見て、笑い合って一緒に歩いていきたい。私の願いはそれだけだ。
芽衣、大好きだよ。何があっても守るからね。だから、幸せになろう。
キャー、キャー!!!パチパチ!!!!
最後まで歌い切った…はぁ、、緊張したよ。声、上擦ってなかったかな?思い等が強い分、声に力が入ってしまった。
あっ、芽衣が笑顔で手を叩いてくれている。近くにいるお姉ちゃんも笑顔で安心したよ。
私は席を立ち、軽音部のみんなと一緒に一列に並び最後の挨拶をした。3年生が喜んでくれているみたいで良かった。
これで!お姉ちゃんから5000円ゲットーだ!
芽衣のクリスマスプレゼント買いに行かなきゃ。もう何を買うか決めてるから楽しみ。
「ありがとうございました!!!」
ごんちゃん、今日こそは絶対にファンが出来たと思う。演奏が終わったあとのごんちゃんは、さっきよりひと回りキラキラしてカッコよくて輝いている。私もごんちゃんの曲を演奏して、歌えて楽しかった。
この後はお姉ちゃんがもう一度、挨拶をして激励会は終わりだ。みんなが体育館から帰っていく。HRが終わったあと私と軽音部のみんなで楽器の撤収をする。
今日は部活ないし、早く帰れるよ。へへ、芽衣とイチャイチャが沢山できる。
「水希〜、良かったよ」
「早川先輩、ありがとうございます」
「朝倉さんの曲、すごく良かった!」
「本当ですか!?嬉しいです///」
ごんちゃん、好きな早川先輩に褒められて良かったね。私も早く芽衣に褒められたいな。
少し休憩したいから、みんなが体育館を出てから私は動こう。流石に疲れちゃった。
身体中が充実感と満足感で満たされ、今日はよく眠れそうだ。壁を乗り切れると最高の気分になる。
「水希」
「あっ、芽衣来てくれたの!?」
「うん、すっごく良かったよ」
「へへ、ありがとう」
やっと、芽衣に褒められた。芽衣の笑顔を見れたし満足!あとは、帰るだけだ。
軽音部のみんなも楽しそうにしてる。やっぱり発表の場があるっていいよね。
今回、新入部員の子は参加できなかったけどごんちゃんみたいにギターを弾けるよう頑張るとって言って、ごんちゃんは嬉しそうにしてる。
切磋琢磨しながら頑張れることがあるって幸せだ。私も陸上を頑張らないとな。来年は地区大会に出てみたいし…今が頑張りどきだ。
甲子園に連れてってじゃないけど、晴れやかな舞台に芽衣を連れて行くからね。
「水希、汗かいてるね」
「緊張しちゃって」
「ジッとして」
「芽衣、ありがとう〜」
芽衣にハンカチで額を拭いてもらいながら、周りを見渡す。みんな良い笑顔ばかりだ。
良い1日になったなって思いながら芽衣に笑いかける。芽衣も笑顔で最高の一日だね。
「みんな、そろそろ教室に戻るわよー」
お姉ちゃんの声にみんなが動き出す。来るときは重たかった足取りが軽い。芽衣が横にいるし、ごんちゃん達とみんなで話し笑い合いながら歩いた。語っても語っても話が止まらなくて、みんな饒舌だ。
「水希、ありがとうね」
「ごんちゃん、これで修学旅行の件はチャラね」
「分かってるよ。最高の日になったから」
きっと、明日の天気は晴れるね。みんな爽快な気持ちだもん。今日は思いっきり寝るぞー。明日が日曜日でよかったよ。
そして、芽衣とお家デートして、、イチャイチャ出来たらいいな。出来れば芽衣を美味しく食べたい気持ちがあるけど前回よりあんまり日にちが空いてないから無理かな。
本当はね、芽衣を今日ね…美味しく食べたいと思ってるよ。愛の唄を歌った後って気持ちが盛り上がるじゃん。だから、あわよくばと思っているけど、、どうなんだろう?
「水希…今日、泊まりに来て」
「いいの!?」
「うん///」
うん。夜に芽衣を美味しく頂けそうだ。流石に泊まりに行きすぎているから夕食だけは家で食べなきゃ。あと、帰ったらお風呂も入って泊まる準備をしなきゃね。
「水希、芽衣の家に泊まるの〜?私もー」
「ごんちゃん、今日はダメ!」
「えー、ケチー」
「今度、、3人でお泊まりしようよ」
「分かった〜、絶対だよ」
ふぅ、空気を読まないごんちゃんを何とか切り抜けられた。ただ、お姉ちゃんが何とも言えない表情をしてるのが気になるけど気にしない。分かってると思うし。
◇ ◆ ◇
ミクロのような君に出会い私の人生は変わったよ。恋を知り、愛を知った。
私の芽衣への愛を誰にも邪魔させない。だから、邪魔しないで…。
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