第79話

せっかく、芽衣と2人っきりなのに何をしたらいいのか分からない。やってみたかった体勢だけど、この体勢だと何も出来ないし芽衣はさっきから私の手で遊んでいる。



「芽衣、外にでも行く?」


「今日はまったりでいいかな」


「何かしたいことないの?」


「水希と一緒に入れればいい」



そっか…そっか、、へへ///。でも、こんなこと言われたら、昨日のことがよぎっては頑張って消し去っている邪な煩悩に勝てる気がしない。

出来ればキスとかしたいと思っているけど昨日も沢山したし…やり過ぎかな。


あんまりがっつくとスケベと思われそうでギリギリのラインが難しい。

芽衣に嫌がられないぐらいにイチャイチャを出来ればと思っているけど、今日はまだキスしてないからしてもいいかな、、



「(ボソッ)胸、大きいな…」


「えっ///」


「へぇ?あっ、、違う///!」



芽衣を後ろから抱きしめるように座っているから目線が下を向くと芽衣のお胸の位置で…つい思ったことを呟いてしまった。

うわぁー、最悪だ。これじゃ、完璧に変態だしスケベ野郎だ。私は芽衣の発育の良いお胸が羨ましくて憧れの意味で思ったの。



「やっぱり、胸が好きって本気なんだね…」


「違う!あれは本当に冗談で…」


「ふふ、分かってるよ」



恥ずかしい…何で思ったことを口にしたんだ。昨日のこともあって、やっぱり私はおかしい。思春期丸出し脳になっている。

これは一度、芽衣から離れた方がいいかもしれない。距離が近いとムラムラする…。



「芽衣、飲み物入れてくる」


「私も一緒に行く」


「1人で大丈夫だよ」


「やだ、一緒に行く」


「寂しがりや」


「離れたくないの」



私が思春期丸出し脳になるのは芽衣のせいだと思う。こんな風に甘えられたら、好きって気持ちが爆発して襲いたくなる。

少しだけだったらいいよね…?少しだけなら進んでもいよね…?って私を突き動かす。


私はキスがしやすいように体を横向きにし、芽衣の頬を撫でながら顔を近づけると目を閉じてくれた。

何度しても照れてしまうキスだけど、する度に時間が長くなりまたしたくなる。

これって中毒症状みたいなものかな。芽衣の唇の虜になっている。



「ドキドキする、、」


「私もだよ」


「あっ…首はダメ///」


「弱いの?」


「くすぐったいし…恥ずかしい」



そんなこと言われたら芽衣を苛めたくなる。首を甘噛みしたり、指でなぞっていたら「ダメっ…」ってちょっとだけエッチな声で言われ体温が上がり汗が吹き出しそうだった。


ヤバい、ヤバい、やり過ぎた。芽衣の甘い声はマズい。もっとあの声を聞きたくて我慢の限界を迎えそうだ。

次のステップに進んだら、芽衣はどんな声を出すのかなって不埒な考えがよぎる。



「芽衣…次に進んじゃダメ?」


「・・・いいよ」



ドキドキしながら私は芽衣の手を握り、ベッドに腰掛けた。一度深呼吸をし、芽衣の肩に手を置き顔を近づける。

今からすることはスローガンに反するけど私なりに頑張ったし、それに芽衣にOKを貰えたから問題ない。


だけど、一つだけ問題が残っていた。下から大きい声で「ただいまー」とお姉ちゃんの声が聞こえてきて…デートなのに何でこんなに帰ってくるの早いの!

まだお昼だよ!デートはどうしたの!?



「水希、芽衣ちゃん。アイス買ってきたよ〜」



最悪だ…私のドキドキと決心をお姉ちゃんに妨害された。何度も下から大きい声で「アイス溶けちゃうよー」って呼んでくるから、仕方なく下に降りるしかなかった。


苛めだよ!どれだけの緊張とドキドキを乗り越えて言ったと思うの!?

下に降りるとニコニコ顔したお姉ちゃんがアイス食べてるし、めちゃくちゃその頬をつねりたくなってきた。



「2人ともアイス選んで〜」


「先輩、ありがとうございます」


「ありがとう…」



悪魔の微笑みをしながら、お姉ちゃんの目が私に「1年後」と訴えてくる。本気で言ってたのか…流石に非情でしょ。

そんな健全なお付き合い無理だ。絶対に無理!我慢できない!



「水希、ちょっといい?」


「何…?」



お姉ちゃんに連れられ洗面所に行きドアを閉めた途端、頬をつねられた。痛い!痛い!

「水希がLINEを返さないから気になって帰ってきたのよ!」って、何で私のせいなの?


彼氏とデートだったのに普通、妹からLINEが返答ないだけで帰ってくる?おかしいよ!

何で妹の恋路を邪魔するの。それに「1年後」って芽衣が不安がるし私も嫌だ。



「水希達は…どこまで進んだの、、?」


「言いたくない…」


「もしかして…最後まで!?」


「そんな訳ないじゃん!」


「じゃ、どこまで…?」


「キ…ス」



ホッとしたようにお姉ちゃんが大きく息を吐く。まだ付き合って1ヶ月経ってないけど、進み方は人それぞれだし、芽衣も望んでいる気がするし…私も進みたかった。


今日もまたモヤモヤしながら寝ることになる。かなりキツいのに…思い出しちゃうとドキドキして眠れなくなるし体が熱くなる。

好きな人と結ばれたいという気持ちは人間の本能だし止められない。



「あー、うー、、水希の誕生日まで我慢しなさい。それだったら…許す!!!」


「いいの!?」


「だから、それまでは健全なお付き合いにしなさいよ」


「分かった!」



お姉ちゃんにやっとお許しを貰った。私の誕生日は11月だからあと2ヶ月後。

頑張る!私の誕生日を迎えればお姉ちゃんは邪魔をしない。もう妨害されるのは嫌だから、私はお姉ちゃんと約束をした。

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