死の無い肉車

N白 音々

27時

ERROR00年00月00日E曜日27時00分

場所:電柱街の十字路、電線が絡み合う裏の道カラ自宅マデ

記録者:マルマル03:d


おれの友達が打ち明けてくれた


「指がしくじってさぁ…なんか接続が悪くて、触感の信号が届かないんだよ」


認知機能が死んでいるのだろう、だから何処か遠くへ向かって話しかけている

彼には何を感じていて何が感じ取れないのだろうか……


彼を家へ運ぶには苦労した


持とうとしても、歩く動作をし続けてぶつかり、傷付ける予定ではない所まで破損してしまった

重要な所さえ大丈夫ならば、原因も治療法もわかる事だろう

バレて資源の無駄と言われる前にさっさと分解してやる

新しい身体になれば全て忘れている事だろうし


彼の隙間にバールを差し込んで、割ってやると中からは、ドス黒い液体と、赤と青の細いコードが漏れ出した


色々と嫌な考えも浮かんだが、全て好奇心に、興味に、新しいアイデアにかき消されていって、心地が良かった

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