祖母

あなたはいつも静かで

すべてを包みこむ大きさで


たくさんの荒波もなかったことのように

ただ黙って息子を見守った


どんな言葉もどんな想いも激しい痛みも

すべてココロに流し

息子が痛まないように傷つかないように

ココロをつくし

包み込んだ


息子は精魂尽き果てるほど守りつづけた

涙をなんどもぬぐいながら


「もうそろそろかもしれんな」

そして静かにあなたはソラへのぼった

ココロをのこしたまま


息子はそのあとをおった

すべての後始末をして


わたしたちをのこして




「東京砂漠に行くんか」


元気でやってるよ、おばあちゃん


砂漠に星がかがやいてる





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