第5話未定
自称上位存在の介入が有ってから二週間が経った。その間に解った事は界爆弾の効果の詳細と、何の為に考案されたか、と言う事。そしてそれで出来る事。界爆弾は世界に局地的な飽和現象を起こしてその空間に掛けられて居る干渉をリセットする為の物だ。と言う事は良いとして、それだけで何で世界がリセット出来るのかが問題だったのだが、要するに、界爆弾とは、何も関係無い世界の一部を凝縮して、一か所にそれを注ぎ込み、内容の物を中和して居ると言う事な様だ。つまり、一ミリリットルの砂糖水に千リットルの水をぶち込んだのだ。状況のリセットと言うか、該当空間に於ける該当現象の希薄化と無価値化こそが界爆弾と言う事らしい。……いや、そんなの格下に使うのがメイン目的技だろそれ。やるのが大変そうでは有るが、やれれば確かに効果は有るだろそれ的な内容では有った。界を凝縮し、一か所に注ぎ込む。なんか他にも出来そうだな、これ。……と成ったので、それを研究したのだが、世界の一部を凝縮して一纏めにする作業時にその凝縮したそれを少し整形出来るか試してみた所、……小型の世界と言えるものが出来た。出来てしまった。いや、要するに世界の一部を集めてそれらしい形に整えただけでは有る、分裂増殖するタイプの生物的な扱いでの世界創造……いや、正確には世界の分裂増殖の手伝いをしたと言う方が正しいか。だが、零からでなければ、疑似的な世界創造にも手が届いてしまった訳だ。いや、正確には世界が分裂増殖出来る仕様で、これはそれを見付けただけなのだが。……だが、これは件の上位存在的にはアウトじゃ無いのか?……だが、何もなかった。本当に仕様の範疇での事ならばなら何が有ろうが無介入を決め込むつもりの様だ。……いや、でもどうする、これ。
☩
「シュラ、そしてガルア。もう良いですよね?メンタルケアは、もう十分ですよね?」
「まだ怖がっていちゃダメなの?」
「……普通なら私が止める様な事を散々やってまだ望みますか?」
「何の事かしら?シュラ助けて」
「……俺にどうしろと?」
「シュラ、もう十分メンタルケアはしましたよね。通常運転に戻すべきです」
「まだ足りないから、もっとお願い、良いよね?」
「だから、俺にどうしろと。可視化出来ない要素の可否を俺が決めろと?精神病なんて疑われる条件を一度満たして疑われたら対象者が自分で否定なんて出来ない理屈の病気なのに」
「まだ一緒に居てよ」
「もう良いでしょう?ガルア・スプライト」
「嫌、よ」
「シュラ、貴方からも言ってやりなさいよ。もう十分でしょう?世界創造の関連の研究も、しないと水霧浄土にそれで大差付けられかねませんよ?」
「それならそれなりに今でもやっているよ。……まあ世界創造と言うか、分裂や増殖の補助なのだから、あの自称上位存在の一助にしか成らない気もするがね……」
「それでもやるべきですよ。上にはそれで進めるのですから」
「ま、そうだな。そうしよう。そもそも一種類の能力は一人しか持てない何て決まりは無いのだし。似た能力の成長方向が違うタイプの能力持ちが出て来ても何もおかしくはないのだし……能力その物に対してより特定ジャンル能力メタの方が扱う上では安心出来る形だろう。……その内の一パターンを倒したから全部対処出来たと思ったから、今回のミスは起きたのだから、相手の能力は出来るならば、ジャンル毎ガンメタをやり尽すようにしないとね」
「でも相手側を殲滅し尽せばそんな心配は……」
「別に能力は全てオンリーワン設定が有る訳でも無いのに違う手法の同系統能力に対する対策を怠った結果なのだから、それがミスでなくて何だよ。本当、敵側の前提条件が違えば……いや、そうさせはしない」
「界爆弾は飽和による中和と、対象空間の中の物の希釈化と無価値化。つまり、それをされ切らない格上には効かず、基本的には格下にしか通用しない理屈ですが」
「議論なら他を全員格下扱いすれば全部に効くのか?いや、そう考えるのは流石にアホ臭いか、議論的には自分の方が格上だしと主張されるだけだろうしね」
「そんな事は良いから、……あの、やらない?」
「……そんな事を普通に言うなよ……いや、それ関連に付いても考えておくか。エアプの考察だから、突っ込まれても、そうか。としか言えない話だけど、乱○なんてした事無いが、乱○による快楽が通常のそれより良いと考えるか否かは人によるだろうけど、物理的な意味で生体パーツの物量差が有る的な意味で乱○は良いのかもしれん……まあ愛情なんてそれをやるのには関係無いよって言うなら、大人数でやる方が良いと成るのは物理的にはおかしくは無い。ここで言う問題は生体パーツの物量差故の問題だ。愛のあるそれで無いと快楽なんて無いよ。と思う奴には関係の無い話だが、折角異能が有るのだから、まあ腕とか身体とか出しまくれば、疑似的な大人数での愛の有るそれも出来なくは無いよね?」
「……やる気なの?」
「いや、これはあくまでも案としての話だよ。時と場合によってはやるけど、今すぐにやるような物じゃ無い。それに、それよりも今は色々な案の考案が先だ。分身能力有る奴には普通に出来る事だろうしな。分身とか創作でだいぶオーソドックスな部類な能力な訳だし」
「やる際の心情とか度外視で、生体パーツの量の差での判断、ですか。何か機械的ですね」
「……いや、此処で実情籠った形でそれを話せたら色々とアレなのだが?」
「まあそれはそうですね。それはそれとして、隠れて実際に既にやったかのような軽い誘い方なのは詳しく聞きたいのですが」
「……いや、もう筒抜けじゃ無いのか?」
「別に常時全部の場所を見ている訳では無いので……ですが、詳しく聞かなくてもその回答で十分ですね。……いや、本当に風俗とか行かないで下さいね。私もその人とやった事に成りかねませんので」
「……そりゃしないが……そうか、そうなるよな。解った。気を付けておく。……いや、まあ二次創作的には幾ら設定を積み重ねようが無価値なのだけど、さ」
「それは似ているだけの別人の話なのだから、此方の能力とか関係無いと言うだけですよ」
『ここからはまたテレパスで……パラレルワールドの自分とかパラレルワールドでは無いと言う名目のパラレルワールドの自分とか、存在させようとしたら可能だからな。そう言う能力も既に出て居るし。まあ、此方からすればそれを此方としての正史にしたいならば簡単に潰せる訳だが……あくまでも別物として創られている物には関係無い話だけども』
『まあ、そうでなければコピペ世界を丸ごとぶつけて来られても消すだけで終わりますからね。あくまでもこの世界の正史にしたいなら此方の世界のデータにそれをしなければならないはずですし』
『他の世界が、虚像でそれが出来ている事にしたい奴なんて知るか、……と言えるならば、コピペ世界はガン無視で良いのだがね。只の妄想でなくて現物が有るからね。正直放置していても此方には実害無さそうだけど……だから、そうだな。それが正史でない物なら特に理屈無く壊滅させられた事に成って様が此方には無価値だ。いや、ちゃんと理屈を詰めてやれるのならばそもそも普通にやっても勝てるのだから、その正史改編的な手法に頼る必要性がそもそも無い的な意味で、そうされた時点で理屈的には勝ちだろう。いや、単に此方の実力が高すぎるのです……とか有りなら、此方の実力の方がそれより高いから、それで倒した奴以外の奴にあなた方は壊滅させられました。はい終わり。ゲームオーバー。と言う理屈が罷り通るから的な意味で』
『それは流石に暴論ですよ』
『それの反論の為に使うだろう強さを度外視しているのでは、是非もないね。それに、そうだな。後付けで何かしらの能力を得られる世界で、無能力だけど鍛えた筋肉で最強です……とかさ。要は能力を得る事でデメリットが無ければ只の縛りプレイか、ゲームで言うステータス項目極振り思想な訳で、それを万人が問題無くやれる事か?と言われると、ね。故に、創作的には良い題材だろうけども』
『問題が確実に発生し無い保証は無いですから、そればかりはいわゆる世界観次第で変わる話です。としか言えませんが』
『それを言い出したらこの世界で雑魚扱いの奴が評価基準違いで他の世界では無双……とかも普通に有るか。創作的には異世界転移系の奴でよくあるパターンかね?……いや、言う途中迄は冗談のつもりだったが、それは他世界との仕様違い問題では冗談抜きで有り得る話か……敵を矮小化した奴を本人だとして、そいつに勝ち勝った気分に浸る。とかされても、それで良いのか?良いなら何も言わないが、検案だからな。例えば俺の場合、崖下洞窟内とか、戦う場所を選べば物質変換無しでも落石起こさせてメテオぐらい出来るし』
『そう言うのが無い場所で戦わされるだけですよ』
『物質変換使うな。更には戦う場所も此方に選ばせろ?それでなら勝てたとして、接待されて勝って嬉しいのかね?』
『勝ちは勝ちとか言われそうですね』
『ハンディキャップ要求している時点で、全力で戦っても確実に損害無しには勝てません。と言う話に成るが。勝ちの内容にケチも付くし』
『それはやる奴の主義主張次第ですが』
『……いや、それはそうなのだが、水掛け論的に考えるなら、俺が量産化している創るゴーレムが最強無敵でも問題無いのだが』
『……いや、何を言い出しているのですか?瞬殺されまくっていますが』
『いや、例えば最強でも無い奴を最強と上げている奴全般には文句言われる筋合いは無いが』
『作中最強と全作品内最強は話が違いますよ。特定作品の中では他の作品では雑魚扱いでも最強なんて普通に有りますから。世界が違うとはそう言う事です。誰が最強かを決めるのが独断で独り善がりで良いなら、全員自分に取っては自分が最強で終わるのが無難ですよ。共通の基準でやらないならどんな奴でも最強たり得るのですから』
『……いや、それだと結局は前提を決める奴次第で結論の変わる不毛な話に成るのだが』
『結局はそう言う事ですから気にするだけ無駄ですよ。隕石最強とか言っても、どうせ隕石を拳で砕く話でも用意されるだけでしょうし』
『只の物理のみで巨大隕石を原子単位で粉微塵にする奴とか居る?』
『殴った岩を砂の様な状態にする奴は聞いたことが有りますね。……もしかして、原子とか粒子とかの単位に成っている奴でもゴーレムクリエイト出来るか試すのですか?』
『ああ、只の物理のみだと言うなら物理法則を超える様にする奴は無い。なら粉微塵にされたそれらで再度ゴーレムクリエイトが出来れば体内でゴーレムが、ね。多少は吸うのでは無いかな?』
『初見殺しでしか無いですね。それを開示したら攻撃した後は即座に退避されるか、そもそも遠距離からしか攻撃されないかのどちらかに成る奴だと思いますよ』
『地球なめんな、ファンタジー。と言うジャンルは解るのだが、他の世界の奴が此方の世界より強い必然性も無ければ、他の世界の奴が此方の世界の奴より弱い必然性も無い。だからシュレーディンガーの猫的な話でしかない。なら他の世界の奴が此方の世界の奴より弱くとも何も問題無いと言う話な訳だが、まあ、この話的には格上が既に出ているからな』
『結局は助けてくれたのだから良いじゃ無い。シュラはまた助けてくれるよね?』
『そりゃ、まあ、そうだが、……はぁ。ゴーレムクリエイト以外の奴にもそろそろ手を出す頃合いかね……流星群ぶつけたのに敵の部位欠損が限界だったのも有るし。ステータスインフレには威力がある程度一定なのはステータスインフレするにつれて厳しくなって行く訳だし』
『……いや、それは相手が悪いだけでしょう?』
『通常は有り得ない、とんでも理論を許容するのが魔法なら、魔法の方が強く成るのは当たり前。まあ、それは世界観次第だけどさ』
『この世界ではそうではないですよね。正確には召喚システムは、ですが。理屈無しのそれが有りならヤバイ類いの物も有るのですし』
『即死魔法とか普通は無理だけど、ゲームで言うシステムにHPゲージって有るだろ?アレが有る世界観なら、生命力の可視化は可能なはずだ。それに対する見えて触れるならば、特効の物を用意する理屈の成立難度も低いのでは無いか?』
『つまり、生命量迄把握されたシステムの範疇の存在に対しては、それがシステム的に可視化されて居るのだから、それを利用すればそれに直接攻撃出来るのでは?と言う事かしら?』
『ああ、単にそれは即死魔法と言うよりかは、正確には残存HPゲージに対する、システム干渉と言う方が正しいが』
『……いや、それは、HPゲージと言う概念が有る奴は、即死魔法相応の能力が効きやすく成って居ると言う事かしら?』
『生命力が可視化されているから、通常の全部自前でやるそれよりも成立までのハードルが低いと言うだけの話で、それがやれるかどうかの話は別だろうがね』
『……それが成立するなら一部の奴にしか効かない疑似的な即死魔法みたいな物に成るのでしょうか』
『これは理屈不足な即死魔法もどきでも効く相手が存在する可能性が有ると言うだけ。それ以外が完璧ならば、もう普通に全部に効く奴創りたいだろうと思うし、一部に効くならそれでも良いとか思い、それだけでやるなら、基本的には成功せず、効く相手にも成功率低いみたいな効果の魔法に成りかねないし、産廃過ぎるだろ』
『……それ以外が完璧な奴なら、そもそもそれのパターンを狙う意味が無い、ですか。身も蓋も有りませんが』
『……俺と、テラは化身系なのだから通常のそれと基準が違うし、今の身体のHPとかあまり関係無いけど、ガルアは、どうしよう?』
『……私にそれを振るのは私がシュラにやったのをガルアにもやれと言う話でしょうが、嫌ですからね』
『……いや、だが、どうするよ?実際問題、似たケースが有れば、ガルアはまた人質要因で狙われるぞ』
『ですが、瞬間的に奪還出来ても、瞬間的に結果の出るタイプの手段を使われて、ああなってしまった訳ですからね』
『前提条件上、人質としての価値の無い事にするようにはし無いだろうが……なんかの神格個体にでも成らせるか?』
『無理矢理こちらの力を渡して条件を満たさして、と成ると、恐らく神格個体には成れずに、天使個体側に成ると思いますが』
『だが、現状のまま放置よりかはマシだろうから、やるとしよう』
『解りました。そうするとしましょうか』
そして手順を熟して行く。まあ幅広い奴から前提と成る物を用意される訳では無いので多分成るのは土系の何かだろうが、それでも現状よりかはマシだろう。神格個体への成り方は、エネルギーを飽和現象が起こされるレベル以上に集めて、それを自力でねじ伏せ続ける事。その飽和現象を起こす為のエネルギーが自前なら神格個体、借り物なら天使個体と言う感じ。だから、本来ならば天使個体に成るのは妥協案と言える物だ。……いや、一概に全部悪い訳でも無く、大当たりのパターンも存在する訳だけど。そしてガルアにエネルギーを譲渡してそれを試みさせる。すると……。
『……これが私の新しい力、なのね』
『……どんな奴に成った?』
『アズリエル。……けして可愛いとは言えない力を持つ事に成ったわね』
『……ええと待て、少し調べる。……いや、ガルア……見た目の特徴はともかく、前提と言動的にこれしかないレベルでマッチして無いか?七掴みの土から人を作れた奴だし、……その際に大地の諫言を無視して創った、とか有るし。ヴェールでいつもは身体隠しているし、只、死を司るのが何処から来たのやら?』
『それは要するに、ゲームで言うプレイヤーとプレイアブルキャラクターの繋がりの切断なのじゃないかしら?』
『えげつないな。だが、無根拠な、とんでも理論とは言えないレベルの物だろうよ。何ならゲームの運営側なら余裕で出来そうなレベルの奴だし』
『でも即死魔法の獲得が出来たのね……いや、厳密には理屈的には違う訳だけど』
『さて、ガルアに力を与えるのも出来た。……これからどうしようか。いや、鍛錬をするのは別として、さ』
『鍛錬関連で出来るのを増やす事を除けば、彼方の世界に侵攻に行くとか、でしょうか?』
『ワンパンされているのにまた来ようなんてすると思うの?』
『……いや、妨害した奴の論調を信用するなら、この世界のルールを守っての侵攻にはノータッチな可能性が有るが……流石に根拠無しにそれに参加するのは捨て駒過ぎるよな……なら、相手側がまだ攻めて来るつもりなら、妨害した奴への交渉中と言う感じだろうか?』
『そもそもどうやって交渉のテーブルに相手を着かせるのかな?そもそも同じ世界に入れないよ?』
『……どうなるのかね……』
『なら、此方が自称上位存在にコンタクトを取ると言うのは、どうでしょうか?相手側が交渉して居るかどうかもそれで解るはずです』
『……いや、どうやってコンタクトを取る?此方がシステム内の仕様でどうこうしようが無干渉を決め込んで居る相手だし』
『……喧嘩を売ればすぐに来そうですがそれじゃあアレですよね』
『劇が壊れるのは避けたい的な事言って居たし、此方の観劇目的でシステムを創ったなら、反応するかは別として見ては居るのでは?』
『……いや、普通なら全部を見尽すのは物理的に限界が有りますよ。只、上位存在と自称するのだから、全部見られているかもしれませんが』
『……仮に世界で起きる全ての事を知る存在だとして、……いや、真面目な話だ。今、それは良いから、こう言うが、様々な事件が起きると初動の時点で把握していて、でも、敢えて基本的にはガン無視して楽しんでいた奴だと言う事だろう?少なくとも善と言える存在じゃ無いだろう』
『ならシュラは、貴方は世界全ての事件を解決する義務が有る何て言われて承諾できる?』
『……そう言う事、か。……全てを解決出来る力が有るから、全ての問題を解決しなければ成らない……これは正しいようにも見えるが、赤の他人の為に命を張れる奴しか居ない訳じゃ無いだろう。特定の個人が仮にそれを出来るとしても、全員がそれを確実にします……なんて言える内容では無いのは間違い無い』
『全てを簡単に解決出来る力が有る奴が居るとしても、この場合はそいつが助けてくれる義理も義務も必要も無いのよね。善性に訴える……なんてしても仕方無いし』
『でも助けてはくれたよね?』
『ルールを逸脱して喧嘩売られたからと言うだけだと言われてはいるが、結果的には、な。毎回期待出来る物じゃ無い。それとも何だ?低成功確率の即死魔法が偶然効いただけの話が、それ以外何も無しにそれから何回繰り返してもそうなる。とか言える訳無いだろ。まあ創作の作話的には物事の成功率なんて無視出来るが、な』
『それは身も蓋も無いですね……』
『百回負けても一回勝てれば良い。とか言えるのは再戦とかリトライとかリスタートとか一度勝てたらそれが全てに出来る能力無しに言うのは違うだろう』
『殺し合いとは一度で決まるそう言う物では無いですか?』
『ああ、言い方が悪かったか。百回戦って一度勝てるかどうかの相手との戦う時に、一度勝てるだろうパターンを持ち出して、勝った事にする。確率論の無視とはそう言う事だろうよ。幾らそれの成立難度が高くてもそう出来る迄やり直せば関係無いのだし』
『それでも勝ちは勝ちでは?』
『いや、そう言う能力ってさ、要するに膨大な回数負けたけど、一度勝てたから敗北数無視して俺の勝ち。と言う理屈が通る能力な訳で……』
『ははは……』
『まあ俺はそんな物を潰す側の能力持っている訳だがね』
『シュラ、何か私の力が下がった感じがするの。どういう事?』
『ああ、ざっくりとしか説明してなかったけど、必要か。神格個体や天使個体になるためには飽和現象を制御し尽くして初めて生成と制御出来るエネルギーが必要で、神格個体や天使個体に成ると言う事はそれが恒常化する。つまり、神格個体や天使個体に成り続ける為にステータスの一部がそれに常時使用される為に、弱くなっているように感じる。だから、実力が下がった訳では無いよ。……この仕組みの関係上、無理に実力で不可能なレベルの上位存在的な奴に成るとそれに成り続けている限りステータス的には木偶の坊化するけどね』
『……少し試運転してもいい?そうなっていたらアレだし』
『そうだな。害虫駆除でもそれでやってみようか』
そして暫く害虫駆除で実験を繰り返し、
『ステータスがある程度は下がるにしても、代わりに能力が発展しているから、これは問題視する程では無さそうね』
『まあ、つまりは得た力が既存の能力でも全て説明が付く奴ばかりだったから、ステータスも特筆すべきレベルで下がる事は無かったと言う事か?』
『まあ、要するに力の新しい使い方が出来る様に成った。(それをやる為の力自体は同じ物)だものね。負担が少ないのはまあ解る範囲でしょう』
『実際、所有能力の拡大解釈の自由度を上げると言う事は十分に有用だろう。……俺なんかゴーレムクリエイトが流星群を生成する能力に成ったからな』
『……いや、それはつまり、神格個体や天使個体に成るのは新規の力を得る手段には向いていないと言う事なの?』
『直ぐにレベリングする時間が無い時には止めた方が無難だな。……いや、例外も居る様だが……それに付いては、今は関係無い、か。……なんかな。奴に対して介入出来たのに介入しなかった事で助からなかった奴が居るとして、奴に対して介入してくれればそいつは助かったのに……と責めるとしよう。奴に介護されるのが前提での批判だろ、それは』
『ですが、国の軍が国民を守るのと似ていませんか?』
『奴が世界を創ったならその論調も通るけれど、そうだな、他人が戦争していました。それを中継で一部知りました。だからとそれを知った全員が戦争を終わらす為の動きをする?そう言うのに参加する?そんな訳無いよな』
『ですが、それとは少し違いますね。この話の場合、実際にその状況を変えられる力が有るのですよ?で、有るのに、それに敢えて参加しない。そう言う奴です』
『別に奴は世界に奉仕する奴隷じゃ有るまいし、とは思うが、奴の思考で考えるのならば、そんなのやると劇を壊す。とか、つまらない、とかだろうか?』
『……奴を殴りたく成って来ましたね』
『……だからとまともに奴と戦う術も無有りはしないが』
『……いや、なら劇を壊す為の動きをすると言うのはどうでしょうか?』
『……それをしたければ他の世界の法則を手に入れて使わないと話に成らないよ。そうでなければ劇を壊す動きをしても只の仕様内の事でしか無いし。そして他の世界の奴に協力を得てやる検案でも無い。奴に撃退された奴らがまた来る原因に成るのだろうから』
『……今はそれで良いでしょう。いや、良くはないですが。……システムに頼らず、システムの奴とまともに戦える奴なんて居ないのでしょうか?システムに頼る道が無理ならそう言う奴でも無いと、そもそも戦いのテーブルにも上がれないですからね』
『……いや、そう言う奴が居るとしても此方もシステム前提改編的な奴の力に対抗出来る事が前提だろう。そうしないとそれが通じない様に前提を崩されて終わるだけだ』
『……敢えて無能力者として、どんな能力が来ようが物理だけでなぎ倒す……いや、無理でしょうよ。物理的に触れられないとかの対物理メタを散々盛られもそれを物理だけで攻略出来ないと簡単に詰みますよ。……いや、他の世界の奴に頼るなら話は別ですが、前提的にそれをするのは避けたい……と言う状況ですか……』
『そう言う物理に強い奴を他が能力で散々補助するのはどうだろう?』
『……いや、それをやるならそいつが自前で能力を持つ方が早いですし、それに適応して居るならわざわざ縛りプレイする必要性も薄れていますよ』
『……さて、どうしたものか……』
☩
俺はアーバーンの所に水の身体を自分で遊ばせつつ、移動しながら考える。システムの作成者が表に出て来た事……実はそれは今回が初回の事では無い。他の事件の時に彼方から此方に接触して来た事が有る。そいつと今回の奴が同一人物で有るならば、……どうせ今も此方の事は見て居るだろう。確か、その時はロプトと名乗って居た。要は北欧神話の神のロキの別名で有る。その時は別に敵対した訳では無く、むしろその事件の初見殺しのラスボスの能力のネタバレすらしてくれては居る。まあそいつがそうしたのは悪意的理由も有っての事なのだが。……その時に渡されたアレはまだ伏せておくべきか。それとも使ってしまうべきか。……いや、正直、状況的に隠す必要性を感じないレベルの所まで此方には公の力が集まって来ては居るので、正直に言おう。要はその時にロプトから貰った物は、システムが構成される上での重要部品の内のスペアの一つだ。つまり、他の部品を自作してしまえば、自作のシステムを得る事も夢では無い。奴の都合に左右されずにシステムの力を行使出来る様に成る。……のだが、召喚システムがいきなり出来た事で問題は沢山起きた。その状況でその権利を公に行使しようものならば、元凶扱いされる可能性も十分に有った。つまり、それでもしもシステムを自作出来ようが、その自作システムを公に使えばロプトが負うはずだった責任を被される可能性が有る訳だ。……いや、むしろロプトからすればそれをしろと言う事で、それを渡したのだと思う。でも研究はした。それなりに簡易的な物なら創れる様にも既に成っては居る。だが、それの使い時が無い。小型なら世界を創る技術も出来てはいる。なら、その二つを組み合わせるとどんな物が出来るだろうか?……まあゲームで言うサーバー分けとかしたらロプトがそこを守る理由なんて無いので、初心者狩りがその世界には大量に押し寄せる事に成る気がする。少なくともロプトが撃退した連中がそこに来るのは想像に難くない。つまり、切り札として作用する物では有るが、問題を大量に呼び込む物な訳だ。ロプトがシステムをヤバイ様に組み換えた際に逃げる先くらいには成るけれども……。但し、ロプトが従うか死かの様なシステム構築に作り替えて来て、選択肢を突き付けて来た際にサブの選択肢としてそれは選べる物では有る。その時ロプトと戦うよりかはまだマシだろう。ロプトにワンパンされた奴が敵なのだから、ロプトと戦うよりかはまだ難易度は低いはずだし。まあ、それはロプトがヤバイ風に世界を改編しなければしないで済む話だ。……常識改編的な手段を使われて無いだけまだマシな範疇では有るだろう。……いや、他の世界の奴と度重なる戦争をする展開を受け入れて、その方がまだマシだろうと確実に言える仕組みを創られると言うのが行われるとしたら、その結果は相当ヤバイ事に成って居る事だろうし……。まあ、そう言うのをされたらそれで世界から逃げられても世界の個人運営なんて他に即座に首を狙われるだろう。主にそいつの匙加減次第で幾らでもやばい状態に出来ると示された後に成るのだし、個人で管理なんて出来ない様にせざるを得ない。いや、条件的にそれが起きるのは世界の個人管理の悪い例の結果を見せられた後に成るのだからそうなるのも仕方無いと言えば仕方ないのだが。ロプトが創るシステムではロプトには勝てない。なら、システムに頼らない筋肉こそ全て?前提と成る法則を歪ませる魔法が有りの世界でそれが百パーセントで通じるとか言われても現実味は無いし、それに水掛け論的な解法は水掛け論的な解法で凌駕される。故に議論的にはステータスを完全開示したらマウントは取られ放題である。あくまでもそれが議論だけで終わるなら、だけどね。そこに襲撃者が来た。マシンガンをぶちかまされたが、そもそもこの体は全身緩衝材みたいな物だ。今更効くかよ。……と思うが念の為避ける。それが地面に当たると銃撃とは言え無い様な現象が起きる……いや、オイオイ。何らかの現象を銃弾に込めて撃ち出している?まあ、良い、反撃だ……は?弾丸は弾切れしないし、そもそもそいつに当たった感覚が有るのにまともにダメージに成って無い?それどころか銃弾が此方の攻撃と似た結果の物に成り始めた……受けたダメージが本当にダメージになる前に弾丸に変換してそれをマシンガンで撃ち出している?さて、どうやってダメージを与える?……いや、此方がダメージを与えると弾丸に変換されるなら、与えない事でダメージに成るようにすれば良い。即ち頭部を水で覆い呼吸不可状態にして、与えられたのではなく、与えられず足りない故に死ね。……そして暫くの間そいつはそれでも暴れていたが、昏睡状態にさせた。……こいつの能力は解析しておこう。使える。足りない事で死ぬパターン全般を問題無い状態にされて網羅されたら今の解法は通じなく成るからな。相手の力が意味の無い物に成る前提と成る様に前提を構築する為の能力。とにもかくにもどんな物をぶつけられようが、それが意味の無い様にする前提を行使し、ワンパンする。……それが出来る奴な訳だからな。仮推定のロプトの野郎は。後出しじゃんけんが有りの状態では何を倒す為にぶつけても前提からして論外に成る。つまりは、完膚なきまでに即座に一撃死させでもしないとアレな訳だが、好き勝手に前提を弄れるのだから、その対策をしていないとも思えない。前提とかどうでもいいから一撃死させれば良いのだな?って?それが出来るなら苦労しない。それが有りなら理屈も何もない思考停止しているような内容の能力が有りに成るのだし。それよりも今は連行しようかね、と。魔法で連行なんて出来ないだろうし、だからと言って直接運ぶのもね……いや、台車でも持って来るか。そして運び出すと、昏睡状態から復帰したのか、脱出しようとして来る。それで台車を運ぶ為に使って居た魔法が潰されるが、此方の身体は崩れない。不完全な魔法封じ?……いや、エネルギーを単純な形で扱うのは問題無く出来る。つまり、これは魔法を使う上での魔法の構築の妨害だ。だから、構築がほぼ必要無い類いのは問題無く使える。そして前提条件上、要は窒息させるなどの手段をすれば良いだけなので、そいつ頭部を水の中にぶち込むだけで対処としては充分である。……まあ、戦闘不能状態にするのは出来るが、拘束し続けるなら他の奴を呼んだ方が早いか。そして窒息させつつ他の奴を呼ぶことにして来た人達にそいつを引き渡したのだった。しかし、ロプトは要するに後出しじゃんけん出来ない様にする奴が有れば倒せるのか?だが、魔法其の物の構築妨害、発生する魔法の無価値化とか色々と有るにせよ。要は攻略にはそれを封じる為の力を壊せば良い理屈の物ならゴリ押しで解決出来るから格上には意味が無いし。やるなら格上にも効く奴だよな。……いや、まあ外部の力に頼るのが有りなら、例えばシステムにそれをやらせれば自分よりも格上の相手でもシステムよりかは格下扱い出来る奴になら効くけども、システム作成者にそれは厳しいだろうしな……。ん?何か見落としをして居る様な?……あ、小型世界的な奴ならば一応既に創れるのだから、世界を渡る際の問題点を簡単に何処でも相手に押し付けられるのでは無いか?いや流石にこれは酷いな。だが、アレだ。要は相手に都合の悪い世界に相手を入らせてその状態でぶん殴れば良い。……いや、自分がそれに順応しているのではその小型世界が壊された時がね……。あ、ならば特殊な分身を創ってそれに小型世界を纏わせてから、その個体に小型世界を合わせるようにすれば良いか。そしたら大抵の奴はワンパン可能な水の巨人が運用出来るかも。良し。アーバーンに提案してみよう。そしてアーバーンの所に行き話すと。
『前提条件上、根本原因のシステム作成者だと疑われるのが問題なのは解るわよね?』
『ああ、そうだな。だが、これなら一見すると強力なバフを受けただけの巨人だ』
『……それはそうなのだけど、自律行動可能にしないと色々と問題が有るわよね?』
『……此方がそいつを制御する力が通る環境の世界でなければならない的な意味でそれはそうだが……要は順応不足で起きる問題なのだから、事前に両方の世界に対して順応して置けば良いだけだろう』
『二つの世界に対して同時に順応、ね。そんな事が可能なのかしら?暑い所に居る為の装備で、寒い所に居られますか?的な意味で』
『順応と迄行かなくとも、部分ごとに着る衣装を変えれば良いだけだし、要はその環境での力の制御に事前に慣れて置けば良いだけだろう。行けるさ』
『なら、やってみましょうか。……仕様違い故のデメリットがそのまま武器に成るなんてね……だけど、ドッペルゲンガーとかはどうするの?相手の能力を真似る系能力全般はそう言うのに対して専用の仕様が能力に組み込まれて無いと普通に真似られるわよ』
『まあどうしてそいつだけがその能力を持てるのかって部分を真似されたら普通に唯一無二的な能力とかジョブとかも真似られるだろうからな。今までも散々要所度々戦って来たし。……まあ、アレだ。最強無敵の能力が有るだから只単にそれだけで最強……とか言う奴は、その理屈が潰れるミラー戦闘には普通に勝てなそうだしなあ……』
『何度負けても死なないか死んでも大丈夫にする能力とかどうなのでしょうか?』
『多分それだけしか無いならなら自害不可能な状態にされて、何処かで投獄される落ちに成るのじゃ無いか』
『寿命で死んで遥か昔にリスポーン。とかされたらアレよね?』
『……リスポーン先が此方の場所に再来と生存不可能な場所に成る様に能力でさせるか、リスポーンをして居る理屈を解析して不可能な状態に成る様にするくらいか?リスポーンの理屈を解析出来たら此方もリスポーン出来る様に成るだろうし』
『死ねば強く成るとかの類も居ますよね?』
『……特に中身の無いのに高効果なレベリングが成立する能力全般ってステータス評価基準の別基準持ち出されるだけで幾ら強くても余裕で雑魚に成りそうなのだが』
『……オブラートに包んだ方が良いのじゃ無いかしら……』
『それよりも実験が先だ。やって行くぞ』
『はいはい。正直な話ロプトが世界の前提を此方に都合の悪い様に変えない限りは必要無い物だと思うのだけど、……他人の都合に左右される立場に居続けるのもアレよね』
そして実験を開始した。
☩
正直な話、この先あの野郎が世界の前提の改編をしない限り、今回の敵対者達とは戦う流れには成りそうも無い。けど、世界の前提を好き勝手弄れる、か。煩悩有る奴ならヤバイ事に簡単に出来る能力、だよな。煩悩などないシステム的な存在か、もしくはもう大抵の事をやり尽した後で、煩悩が尽きているだけなのかは知らないが、……前提を好き勝手弄れるならば、例えば常識改編物の同人誌的な物を世界の仕様として実物としてやれるだろうから、……そう言う事が出来る奴がそう言う方面の欲が無い事は喜ぶべき事だろう。……いや、普通に考えて他の世界との兼ね合いも有るのだから、仮にそれに全振りして置いて、そればかりにして居る状態で他の世界から侵略を受けたらアレでは有るか。全部自分主導で手動なタワーディフェンスもとい、ワールドディフェンスなんて相当面倒なのは想像に難くない。いや、外敵居たら世界の仕様変えて、その度に潰すだけで良いのだろうけども、世界規模で他人や機械に委任出来る事も全て自分でやらなければならない状態をやるのならば、軽く過労死物な気がする。いや、手軽にやるための能力でも有るのだろうけども。
『うがー。鍛錬を除いたら今明確にやるべき事と言うのが無くなったからな。鍛錬はこの先の展開次第ではその成果が必要に成るから外せないにしても、なんか他に無いか、何か』
『シュラ。ならエロな事でもする?私はしても別に良いよ?』
『……メンタルケアの名目でそれを受け入れるのも別に良いのだが、なんか怖いくらいに好感度が上がって無いか?無理して無い?』
『……あはは、そんな事、無いよ。……いや、嘘。貴方から離れると私は殺される気がして』
『……意地でもそんな事にはさせないから、さ。安心しなよ』
……そうか。ガルアに詰みイベントがこの先起きない保証は無く、仮に俺から離れたからと、詰みイベントを前に起こした奴ら側がそれを考慮なんてしてくれる訳も無く、また詰みイベントを起こされるだけか。なら、此方に好かれないと後は死ぬだけ、と。なんか萎えた。色々と萎えた。其処に連絡が入る。さて、捕虜を捕まえたらしいからそちらに行こうか。そして移動して、捕虜の場所に行くと、捕虜は粗方情報を抜いたので処分として殺したら無傷な状態に戻ったらしい。……あー、リスポーンとか自己蘇生とかそう言う奴?まあ此処は、さくっと殺しますか。そしてある力を込めた武器で普通に殺す。すると。
『……いや、何が起きたのですか?致命傷を受けては無傷に戻るのを繰り返して居ますよね、これ』
『一言で言えば、蘇生後迄有効なダメージ継承。死亡相応のダメージを蘇生後にも引き継がせて居る。だから蘇生後に即座に致命傷を受けた事に成ってまた死ぬ。それをリピートして居ると言う訳。要は死亡時に成長して復活する系能力持ちでも無ければ力が続く限り半永続キルが可能だ。……後は根比べかな。ゲームのキャラクターを扱うプレイヤーみたいに痛みが行かないならアレだけど』
其処にさらに連絡が入る。まだまだ問題は尽きないらしい。やって行きますかね。
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