異世界恐怖通信
ウロノロムロ
異世界恐怖通信
学校はその話で
持ち切りになっていた。
午前零時にスマホのLINEに届く
異世界からの呪いのメッセージ、
そのメッセージに返信した者は
数日以内に車に跳ねられて死ぬ、
そんなオカルトのような噂が
生徒達の間で話題になっているのだ。
真夜中の午前零時、
フレンドでもない人からLINEでメッセージが届き、
最初はみんな不思議がって
企業広告か何かだと思う。
だがそのメッセージを見ると
異世界からのもので、
そのまま放っておけばすぐにメッセージは消えてしまうが、
間違って返信してしまうと
その者は数日以内に必ず車に轢かれて死んでしまうと言う。
-
「ねえねえ、知ってる
三組の三ケ崎っているじゃん?
ここんとこずっと
欠席してるらしいんだけどさ、
あの例の異世界メッセージに
うっかり返信しちゃって
車に轢かれないように
ずっと家の中に
引きこもってるって話だよ」
「五組の五十嵐がこの間
交通事故で死んじゃったじゃん、
あれも異世界メッセージに
返信しちゃったかららしいよ」
「やだぁー、こわーい」
クラスメイトの女子が
そんな噂話をしているのを聞いていた
同じ一組の帰宅部男子、
異世界ファンタジー物のラノベが大好きだが、
その話には戦々恐々。
好きだからこそなのか、
それは異世界からの呪詛的な何かではないかと
一人で頭の中で妄想してはガクブルと震えていた。
「一峰、お前、
女子の話にビビってんじゃねーの?」
周りに居た男子から
それを気取られてしまう。
「別に、ビビってなんかねーし」
口では強がってみせるが、
内心怖くてたまらない。
-
一峰君、帰宅途中で
更に大変な事実に気づく。
ここまで噂に出て来たのは
三組の三ケ崎、
五組の五十嵐、
つまり組数と
名前に入っている
数字の文字が一緒だ。
そして自分は
一組の一峰、
次は自分の番だ。
そう思い込んだ一峰君は、
家に帰って布団を被って震えていたが、
それでもスマホのLINEが気になって仕方がない。
そして、午前零時ちょうどに
スマホのLINEの通知音が鳴る。
体をビックっと反応させる一峰君、
背筋に寒気が走り、
顔は青ざめ切って、
冷や汗が流れている。
見なければそれで済む、
それでも、それでも
不安で逆に確認したくなってしまう。
一峰君はついに
震える手でスマホを取り、
LINEを見てしまう。
確かに知らない人から
メッセージが来ている。
おそるおそる
そのメッセージに目をやる一峰君。
『ただ今勇者大募集中!
異世界で勇者になって
冒険してみたい方、
是非ご応募ください!
待ってま〜す!
from 異世界』
メッセージにはそう書いてあって、
その下には可愛いドラゴンの
オリジナルスタンプが着けられていた。
そりゃ異世界の勇者になるなら、
トラックに跳ねられてから
転移・転生すると
相場は決まっている。
『勧誘、下手くそか!』
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