第56話

「ま、いっか。ほらそろそろ入れそうだし何を頼むのか聞かれるよ。」


「そうですね。今日頼むのはスペシャルプリンアラモード寒天仕立ての和風プリンとトマトソースを添えて恋人との一時をに決めているので大丈夫ですよ。」


やっぱ商品名言えるんだ。女子ってすげえ。


「えっと普通ゼラチンで作るプリンを寒天で作って口当たりを軽くしたのかな。それにしてもトマトソースね。美味しいの?」


「ええ、ここのトマトソースはデザート用に改良されていて甘酸っぱいのですがきちんと旨味もあってそれがまた和風プリンと合うんですけれどそれに合わせたトッピングがまた……あ、すみません。私ったら口走ってしまってこれ以上はアレンの楽しみを奪ってしまうかもしれないので止めておきますね。」


寒天っていえば天草だよな。ってことはところてんとかもあるのかな。しかし召喚者も天草なんてよく見つけたな。アボリジニーも知ってるあたり俺と同じくらいかそれ以降の年代だぞ。それかよっぽどのオーストラリアファンか。


「ハイ注文取ります。メニューが必要な方はおっしゃりください。」


店員が注文を取りに来たようだ。


「あ、これは公爵令嬢様……と昨日のカップルスプーンのお客様!?」


「静かに、貴方新聞や掲示板を見てないの?」


「え……ええええええええええええもしかして公爵様なんですかこの人が新しいあの公爵様!?」


店員よ声がデカい。


「うそ。あの人が公爵、影薄くない。」


「そうねミーシェル様を守った聞くけれど信じられないわ。」


おい住民ども気配を殺しているから影が薄くなっているように見えるだけだ。


「はあ、アレンバレちゃったしいつも通りにしたら。」


「めんどくさいんだけどな。」


ミーシェルはチラリとやれと言ってくるので仕方がない真面目モードに入りますか。


タコ煙中将カモン


魔力を表に出し氣攻も整えた。


「え、ナニ急にかっこよくなったんですけど。」


「そうよそうよあのカッコよさ反則でしょ。」


要はイメチェンに近い要領なのだが簡単に言えば中学生のときの友人と成人式で会ったレベルのイメチェンだ。わかるかな。それくらいには劇的なイメチェンに観得たっつうことだよ☆


「やはり普段からそのようにしていた方がいいのでは?」


「舐められていた方があぶり出しやすいこともあるの。」


完全な方便であるが事実でもあった。俺がサボり魔となっていたおかげで偽造者が何名か居た。


「まあいいです。スペシャルプリンアラモード寒天仕立ての和風プリンとトマトソースを添えて恋人との一時を1つとカップルスプーンで。」


「はい、ただいま。」

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