第49話
「ハァ、今日は散々だったな。」
ミーシェルにコッテリと絞られてしまった。アレは思い出そうとすることすら拒むナニカだ。うぅ~プルプル。震えが止まらない。
ラピスも震えが止まらないのかこちらに寄り添ってきた。
あああったかい。心なしか震えが収まりそうだ。ラピスもプルプル震えてこそいるがだんだん収まってきている。一通り収まり終えると念話をする余裕がないのか話しかけてきた。
「でもそれだけじゃない。とてもいいことあった。」
「ん?どうしてだ?」
「カップルスプーンで食べれたしアレンのカッコいいところ見れた。」
「そうか?」
俺がカッコいいところなんてあったかな?
「うん、ピエロはカッコいい!」
あ、そうでした。お嫁さんに言われて助けたんでした。けどピエロってカッコいいんですかね。個人的にはクールよりもユニークな方がしっくりくる気がする。
「うーんでももう成れるかはわからないぞ。」
「なんで?」
「そういう魔術にしたから。」
あの魔術は引いたアルカナに基づいた変身を行う魔術でいわばルーレットみたいな者だ。普通に確率を考えれば大アルカナ22と小アルカナ56の総勢78のアルカナから一枚を引く。しかも逆位置とかも重要で正位置とは別の変身になるように作り込んである為156分の1の確率だ。それから一枚を引き当てるのだから何回もやらなければならない。
「わたしは魔術のことをよく知らないけどそうなの?」
「俺もよく知らないけどオリジナルで作ればそうなるんじゃないか。」
「え、作れるものなの?」
「作れなければ習うものだって誰が作ったってことになるし結局作ろうと思えば作れるんだよ。ただ設計図が無いから元からあるモノをバラして作ることになるけど。」
こればっかりは自分が女神様に頼んだスキルでやった。ユニークスキルの趣味でやる気も無かったし構造が複雑そうに見えた為下手にやると事故を起こしかねないと判断し理解することをサボった。
「へえ。わたしができる魔術も作れる?」
「わからない。」
「わたし、魔力は1/1しか無いけどイグニッションもできないのだから教えてほしい。」
うるうる涙目の10歳の懇願。犯罪臭がするが本当にできるかわからないのだ。イグニッションすらできないとなると個体潜在能力が関係している線が考えられるがイグニッション以上に無駄のない魔術が作れるのかができるとは言い切れないのだ。イグニッションの魔術は例えるなら数学で言いう1×1並みに簡単なのだ。今日反社の皆さまが使ったて来たファイアボールは2×3×4+5×6×19ぐらいの難しさと言っていい。
1×1の魔術への挑戦。これはかなりの難題だぞ。
「個体潜在能力は?」
「感応の祝詞。」
なんか聞いたら余計難しく思えてきた。めんどくせえ。
「これは考えても無理だから今日はもう寝よう。」
「うん、おやすみ。」
流石に10歳に手を出していいほど世間はおかしくなっていなかった。大方転生者の仕業だろうけど。
Zzzzzzz
スキル『怠力』発動
ユニークスキル『魔王』強制発動
簡易型魔術を検索いたします。該当15件それらから個体名ラピス フォン デーヴァに適応する魔術を検索、該当4件精神集中型魔術が該当いたしました。スキル『怠力』より個体名アーレギオン ガレリア クライスが覚醒と同時に魔術をインプットいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます