第18話
「貴様、言わせておけば!【求むは 敵を 殲滅せし 力 エンチャント】」
少しばかり筋力に反して力が強化されたようで本来なら王子の細腕では持てない剣を片手で持ちこちらに斬りかかりにきた。だが俺は何もしない。何故ならば致命的怪我は自らにかけられた女神の制約で起こらないし何よりめんどくさいからだ。しかしそれでもやらなければ思う時がある。
グサッ
「おい、オマエ今刃を止めようとしなかったな。殺気を向けた人間以外を傷つけようとしたな。」
俺の腕が宙を舞い庇おうとした公爵令嬢のドレスを真紅に染める。
公爵令嬢ミーシェル・ガレリア・クロリアスは自分が幼子であるアレンを守ろうと前に出ていた。そこで刃を止めたのならば俺は何もしなかった。しかしモーベルは刃を止めることなく振り下ろしたのだ。それはただの八つ当たり。自分の思い通りにならないが故の癇癪に過ぎない。
「はん、そんなものこの女が悪いだけのことだ。」
自分をとにかく正当化しようと吐き出す彼の口は大衆の目から見れば幼き子を守ろうとした女性の先のことを考えてワザと斬られに行ったと見て取れた。
「そうかよ。これで気は済んだかガキに弄ばれた元王子の男爵様、国家反逆罪で捕らえろこいつの教育に関わったものも全員だ。」
これで第1王子の派閥は完全に無くなり犯罪者として捉えなければ大勢の目撃者たちからの反感を買いかねない王自身が決断しなければならない先の先を見据えた国家のあり方を左右する重大な言葉を言い放った。
その間にも腕からは血が絶え間なく流れほぼ死んでもおかしく無い状況に置かれながらも言葉で立ち向かう。その精神は平成で最も著名な人物として代表する偉人のようでいて完結
言葉で世の中を変えたい
その力強い意思が感じ取れたとその社交界に居た召喚者の子どもだった貴族達は口を揃えて話したと言う
「おいクソ兄貴、手を出したクズに成り下がる覚悟無くしてやったのならいじめ発端はオマエだぞ。」
その言葉を最期に俺は倒れた。
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