第5話 勉強会、勉強回?

 四度よたび俺の腹に入ってきた鈴代ちゃんが大尉さんから偵察任務を受けた事を伝えてくる。しかし臨時扱いとは言えこの俺に『ロボット三等兵』とか昭和のネタを被せてくるとか、あの隊長さんはなかなか洒落というかエスプリを分かっている。


 さて、幽炉を通じて機体の隅々に意識を通わせた事によって様々な機能にアクセス出来るようになったのは前述の通りだが、機内コンピュータとのアクセスで俺はスーパーコンピューター並みの演算能力と記憶容量を持つ事が出来るようになった。今の俺は20桁×20桁の計算も瞬時に出来てしまうのだ。


 とは言え、それを使う人間の判断力や洞察力は以前のままなので、俺が凄くなったと言うよりも、超高性能スマホが手元にある、と言う表現に近いだろう。


 そして基礎的なデータベースにならすぐにアクセス出来る事も述べたが、その時にこの世界の歴史に関する資料を、賢くて抜け目ない俺様はこっそりダウンロードしておいたのだ。

 この輝甲兵と呼ばれるロボットと謎の宇宙怪獣が戦う背景を知る必要があったからだ。


 さて、この世界は俺の居た世界の未来なのか? はたまた異世界なのか?

 結論から言うとここは「未来の異世界パラレルワールド」という事らしい。

 俺の居た平和ボケした日本国の存在する世界、そのちょっと前の時代から分岐した歴史を歩んできた世界、その更に数百年後の世界なのだ。


 とある1人の男がとある1つの決断をしたか、しなかったか? だけの違いで俺の居た歴史とここの歴史は大きく枝分かれしてしまったようだ。


 詳しく言うと『第二次世界大戦にアメリカが参戦しなかった世界』の未来が『今』らしい。

 ヒトラー率いるドイツ軍がフランスを飲み込み、イギリスを爆撃した。イギリス首相チャーチルは盟約に従いアメリカの参戦を要請する。地球誕生からここまでの歴史は俺の習ってきた歴史と完全に合致していた。


 詳しい流れは省くが、アメリカのルーズベルト大統領がモンロー主義を貫き戦争に参加しなかった事により、ヨーロッパはドイツが、アジアは日本が、中東はソ連が、南北アメリカとオーストラリアはアメリカがそれぞれ支配して複数の国家連合体が生まれた。ちなみにアフリカは英仏を代表とする亡国の為政者達が数多く流れ込み、群雄割拠の戦国時代になったそうだ。


 そして数十年の後に国家連合体同士の大戦争が起き、各地で核ミサイルが飛び交い、海は干上がり、総人口の7割が死んで世界は滅亡寸前まで迫ったそうだ。


 僅かに残った人類は過ちを繰り返さないようにと各国家を統合、統一政府「地球連合」を樹立、全人類が汚染された地球を脱し、スペースコロニーを使った宇宙での生活が主流になる。

 なんでも『この統一のおかげで人類同士の戦争は根絶された』そうだ。


 そして数百年、地道かつ大規模なテラフォーミングが実を結び、人が再び住める程に地球の再緑化が進んで、徐々に地球に人が移り住み始めた頃に『虫』と呼ばれる宇宙怪獣が襲来してきたのだ。


 それが約50年前。以後人類は全地球圏的な規模で虫との死闘を続けている、と言うのがこの世界の概要だ。


『虫』と呼称される宇宙怪獣については、未だ専門的な研究がされていないのか町の噂程度の情報しか集まって無い。

 考えてみればこれも変な話だ。虫とはもう何十年も戦ってきているのだから、全く情報収集をしていない、と言うのも無理筋な話だ。


 虫との戦闘で感じた『奴らも知能があるのでは?』と言う違和感と共に、俺の中でこの世界の欺瞞が見えて来たような気がした。

 ゲームマニアとは言え只の学生の俺が気づいた様々な違和感を、プロの軍人や研究者が気が付かない訳がない。この世界は誰かが何かを隠している、これは間違い無い。


 兎にも角にも情報だ。本に書いてない様な生の情報を手に入れるのに一番手っ取り早いのは、やはり今行動を共にしている鈴代ちゃんだろう。まずは世間話から始めて徐々に好感度を上げて仲良くなりたい。


 まだ彼女以外に具体的な女性キャラクターは現れて無いけど、行く行くは整備員だの他のパイロットだのと言った女性新キャラが出てきて俺を取り合ってハーレム展開になるんだぜ!


 …って、なるわけねぇか。俺ロボだしなぁ……。


 万が一誰かに好かれたとしてもお色気的な事は何も出来ねぇし、何より生身の体から解放されたせいなのか何なのか、性欲的な感情が湧き上がって来ない。むしろ常時賢者モードだ。

 世の中の男性全員がこんな気持ちで居られれば、きっと戦争なんて起こらないに違いない。って、どこかの引きこもり勇者も言っていた気がする。


 まぁそんな事はどうでもいい。そのおかげで女性に免疫の無い俺でも、美少女エースパイロットと一緒に居ても全くドキドキせずに平常心でいられるのはありがたい。


 鈴代ちゃんは「偵察任務を受けました。今から行きますよ」と最初に話したきりずっと無言のままだ。何か怒っている様にも見えるが、俺は何もしていないから無罪だよね? 話しかけても良いよね?


《なぁ鈴代ちゃん、この世界の事を教えてもらっても良いかな?》


 俺の思念こえに鈴代ちゃんがピクンと反応する。


「さっきからその『鈴代ちゃん』って言うのは何なの? 馴れ馴れしい呼び方しないで。私は貴方の上官なのよ? 上官には敬意を払いなさい。これは命令です」


 あれ? やっぱ何か怒ってる? それともツンデレ系? 俺は悪くないよな?


《え? 何で怒ってるの? 俺なんかした? ちなみにもしその命令を聞かなかったらどうなるの?》


「あれだけ騒ぎを起こしておいて『なんかした?』って… 怒ってるのではなくて、貴方みたいなイレギュラーとコンビを組んでいる今の状況に頭が追い付いていないだけ。多分…」


 はぁ、と溜息をつく鈴代ちゃん。


「あと、命令違反は軽くて営倉入り、重ければ銃殺よ。貴方に聞き分けが無かったら機体ごと爆破しても良いと大尉に言われているわ。それから貴方の軽薄な態度に多少イラついているのも事実ね。とりあえず気持ち悪いから『鈴代ちゃん』なんて呼び方をしないで頂戴」


《…分かったよ。もう『鈴代ちゃん』なんて言わないよ。美由希…》


「もっと悪いわよ! 何で私の下の名前まで知ってるの?!」


 なかなか勢いのあるツッコミ精神を持っている。段々可愛くなってきたぞこの娘。


《最初に神経接続した時に、君の個人データが勝手に俺に流れ込んできたんだよ。えーと、銀河歴313年8月27日生まれの17歳。身長158cmで体重は…》


「わーっ!! 分かった! 分かったわ、もう結構!」


 あ、はい。顔が真っ赤ですよ少尉殿。


「と、とにかく私の事は『鈴代少尉』と呼びなさい。いいわね? 命令だからね? 貴方の事は… 宮本三等兵で良いのかしら?」


 宮本なぁ… 正直もうその名前は捨てたいな。機械の体を手に入れて新生したのだから、名前もリニューアルしたいものだ。


《この体で宮本って言われるのも変だからなぁ、ネトゲじゃカリビンって名乗ってたけど、それも何だかなぁって感じだしなぁ…》


「じゃあ30サンマル式の三等兵だから『30等兵』とかどう?」


《ふざけんなよ、めちゃくちゃ降格されてんじゃねーかよ!》


 俺のツッコミにケラケラと笑う鈴代ちゃん。軍人らしからぬ屈託の無い笑顔が眩しい。この世代の子は笑ってるだけで可愛いのだから卑怯だ。


「だめ? 3071サンマルナナヒト三等兵とか?」


 この女、どうあっても俺を三等兵と貶めたいらしい。


《三等兵は余計だっつーの! それ以上言うなら俺もお前の事『みーちゃん』って呼ぶからな!》


「み、みーちゃん?! 止めてよ、本気でやめて。…分かったわよ、貴方の事は71ナナヒトって呼ぶわ。それで良いでしょ?」


《んー、華は無いけどナナヒトって名前っぽく聞こえなくもないから、まぁいいか。ところで今更だけどその71ナナヒトって何なんだ?》


「ただの製造番号よ。30サンマル式の71番目にロールアウトした機体だから3071サンマルナナヒト


《そのまんまかよ。まぁそれで良いや、んじゃ改めて宜しくな『美由希』》


「『鈴代少尉』だって言ってんでしょ! いい加減言うこと聞きなさいよ、この『ポンコツ三等兵』!」


《なんだとこの…》


 この後10分くらい喧嘩して、お互い「71ナナヒト」「少尉さん」と呼ぶ事で話が決まった。


 ☆


《…んじゃあそろそろ本題だ。色々教えてくれ。まずはあの『虫』って何なんだ?》


 鈴代ちゃんや長谷川隊長はどの辺まで知っているのか? 何かを知っていて隠しているのか、何も知らないで戦わされているのかを見極めないと、俺自身の今後にも関わってくる。


 鈴代ちゃんよりも大尉さんに聞く方が情報量は多いだろうが、あのオッサンは爽やかな顔をして常に何かを企んでいる食えないタイプだ。


 それに比べれば鈴代ちゃんは、ちょっと鎌を掛けてやれば面白い様にペラペラ正直に喋るだろう。とっつきにくい子ではあるが扱い易い子でもあると思う。


「虫は侵略者よ。散発的に地球に降って来て私達を襲うの」


《それだけ? 奴らの目的とか分からないのか? 人を食ったりするのか?》


「奴らの目的は殺戮ね。せっかく綺麗になってきた地球に人類が戻って来たというのに、奴らは街を襲い、基地を襲い、屍の山を築く事が目的の様に暴れていると聞いているわ。でも人が食われた、と言う話は私は聞いた事は無いわね…」


《虫が出没するのは地上だけなのか? 宇宙にあるスペースコロニーは攻撃されないのか?》


「勿論されたわ。最初だけだけどね。正確にはコロニーでは無くて守備艦隊がね。最初は奴らの奇襲を受けて、連合の宇宙艦隊は壊滅寸前まで追い込まれたわ。戦闘機サイズの戦える小型艇が連合に無かったのが敗因と考えられてるわね」


《その後、コロニーはどうなったんだ?》


「港湾施設の幾つかを攻撃されたらしいけど、居住区には被害は出なかったそうよ。何とか追い返したみたい」


《どうやって?》


「その直前に我が軍最初の輝甲兵『83ハチサン式』が完成し、鮮烈なデビューを飾ったらしいわ」


 …うーむ、色々と出来過ぎな展開の話に思えるが、これも『事実は小説よりも奇也』という事なのだろうか? それで済ませていい物なのか?


《もし虫が宇宙から降ってくるってんなら静止軌道上そっちに艦隊とか置いて、水際作戦は出来ないのか?》


「フィールドが地球全域だからカバーしきれないでしょ。探知して追いつく頃には既に降下されているでしょうね。今はまだ壊滅した艦隊の再編よりも、輝甲兵の生産が優先されるから尚更だわ」


《でも輝甲兵は縞原重工でしか造れないんだろ?》


「そう、そんな訳で今連合の軍需産業はほとんど縞原の独占よ」


 ここまでの会話だけで結構理解出来た。少なくとも鈴代ちゃんには虫は駆逐すべき対象なんだろう。俺の処遇も含めて一度縞原重工って所には顔を出す必要がありそうだ。


 さて、次に虫達が戦術的な動きをしていた事についてはどうなんだろう? 知能があるって言うべきか、黙ってた方が良いのか…? ちょっと鎌掛けしてみるか……。


《虫とか言ってるけど、やっぱり知能も虫並みで食欲しか無い連中なのか?》


「…だったら良いんだけど、残念ながら奴らはとても賢いわ。人間が取る様な戦術を使ってくるし。さっきも見たでしょ? 仲間を逃がす為に1匹だけ私達に挑んできたわ」


 まぁ、やっぱりその辺は分かってるよな。『虫並みの知能しか無い』と相手を見た目で過小評価する奴は既に死んでいるんだろう。


《それなんだが、さっき戦った虫って何処かへ逃げたよな? 宇宙じゃなくて地上の何処かへ。それってこの地上に奴らの拠点があるって事なのか?》


「それも不明よ。少なくとも奴らの拠点は地球上には観測されてないわ」


《強力なステルスで隠されている可能性は?》


「勿論あるわよ。でもこちらが見つけられないんじゃ結果は一緒、後手に回らざるを得ないわ」


 その辺を意識した上で、もう一回虫と遭遇できれば、何か分かりそうな気もするんだがなぁ……。


《実際『虫』ってどんくらい強いんだ? すずし… 少尉さんなんかは割と簡単に撃墜してたし、真柄さんに見せてもらった映像じゃ1人で20匹くらい落としてたけど?》


「強いわよ。さっきも見てたでしょ? 24フタヨン式でどうにか戦力比は1:1じゃないかしら? 私が強く見えたのは30サンマル式のおかげよ」


《つまり俺のおかげって事だな? まぁ、俺は見てただけだけど》


 その言葉に鼻で笑う鈴代ちゃん、失礼だぞオイ。


「ふっ… でもそうね。貴方=3071サンマルナナヒトなのだから『貴方のおかげ』って事にしていいわよ」


 また喧嘩するつもりになっていた俺は毒気を抜かれる。優等生タイプで融通が効かないけど根は素直な子なんだろうな。


「多分だけど貴方が映像で見たのって『天使エンジェル』、田中中尉じゃないかしら? 伝説の零式を駆る我が軍のトップエース。ね、その機体に死神のパーソナルマークは付いてなかった?」


 いやぁ分からん、とにかくそこまで細かく見てなかったわ。


《何その人? 死神のマーク付けて天使エンジェルって呼ばれてるの? おかしくない?》


「おかしいわよ? 本人の前でエンジェルなんて言ったら病院送りにされるでしょうね」


 楽しそうに含みのある言い方をする鈴代ちゃん。そういう気になる言い方するなよなぁ。


「田中中尉は本名を田中タカシ、『天使』と書いて『たかし』って読むの。本人は自分の名前が嫌いみたいだけどね」


 …お、おぅ、所謂キラキラネームってやつか。確かに歳取ってからキラキラネームはキツイよなぁ。


「でも腕は超一流の天才よ。彼の乗る零式は30年前の試作機なんだけど、素材関係は採算を度外視した贅沢仕様でね。性能的には30サンマル式を凌駕しているわ」


 ほぉ、ちょっと対抗心。


「特徴的なのは幽炉を2基積んでいるの。でも誰もその2基を同調させる事が出来なくて塩漬け状態だったんだけど、田中中尉だけはそれが出来たの。後は向かう所敵無しで撃墜数を重ねているわ。私の目標でもあるけど差が埋まるとは思えないわね」


 鈴代ちゃんが興奮気味に言う。まぁ一部の凄い奴を見せて、さも全体が凄いかの様に錯覚させるのは勧誘の常套手段だ。俺はそれにまんまと引っ掛かった訳だな……。


《ところで偵察って言ってたけど、俺達って何処へ向かっているんだ?》


「とりあえずさっき虫が逃げた方向へ向かっているわ。敵の手がかりの一つでも、って思ったんだけど…」


《敵が出てきたらどうするんだ? 戦うのか?》


「逃げるわよ。軽くする為に護身用の拳銃しか持って来てないし。いざとなったら幽炉を使っても逃げるわ」


 幽炉、そうだ幽炉だ。それについても聞かなくちゃならない。


《なぁ、その幽炉ってのが輝甲兵のエンジンだってのは分かるんだが、どういう仕組みで動いてるんだ? 俺ってやっぱり…》


「そうね、貴方と話してて確信したわ。やはり幽炉の中に取り込まれているんでしょうね。恐らくは人の魂、或いは生命力を触媒にして動く力なのよ」


 生命力… そう言えば最初に真柄が言ってたな。『我々が必要としているのは貴方のその生命力です』と。

 ようやく分かった。戦闘中に高速化したりビーム出したりで妙に倦怠感があると思ったら、その度に俺の生命力が削られていたからなんだな。


 幽炉の蓄電(?)状況を示すゲージがある。今まで気にしてなかったけど、幽炉残量 94% この数値が俺の残りの命な訳だ…。


「人の命を機械に封じ込める、相手は異世界から呼んでくるからこの世界の人口にも影響が無く、騒ぎにもならない…」

 鈴代ちゃんが呟く、声が怒りに震えている様にも見える。俺の為に怒ってくれているのかな?


「その上、電池として力が無くなれば廃棄され、次の異世界人が電池としてやって来る。それを知りながら尚、幽炉を使って戦わざるを得ない私達…」


《あの、少尉さん…?》


「貴方は平気なの? 自分とは関係無い世界で無理矢理戦わせられて、ただ消費されていくだけの人生で良いの?」


《そりゃあ良くないさ。俺だって話を聞いた時にはその天使エンジェルみたいな存在になれるつもりで来たのにさ》


「でしょう? ならやっぱり縞原の…」


 それ以上は聞きたくないな。


《大尉さんとも話しただろ? せっかくの決意が挫けるような事は言わないでくれよ。それに君みたいに可愛い娘が一緒なら、なんだか頑張れそうな気もするしさ》


「え? わ、私は別に普通だ、可愛くなんて…」


 顔を赤らめる鈴代ちゃん。お、これはフラグ来ましたな。


《今まで訓練続きの人生でそういう話をしてないんだろ? 君はもう少し磨けば見違える程美人になると思うよ?》


 もう鈴代ちゃんの顔は真っ赤だ。なんだろう? 俺も女性の相手なんて慣れてないはずなのに、ここに居るとネトゲのチャット感覚で話せているせいか、歯の浮く様なセリフも躊躇なく言えるのな。


「わ、私を口説いても無駄だぞ? この関係は今のまま変わらないぞ宮本三等兵!」


《だから三等兵って呼ぶなっつーの。あ、さてはお前アレだろ? 直接命令出来る部下が出来て浮かれてんだろ? 少尉って士官だけどパイロットだったら一番下っ端だからな。格納庫ハンガーの整備員は系統が違うから依頼は出来ても普通命令は出来ないもんな!》


「な?! そ、そんな事は無い… ぞ…?」


《図星じゃねーか『みーちゃん少尉』。関係は変わらないってお前が言ったんだから、俺もこのままタメ口で話させてもらうからな!》


「なんだと? それはおかしい、おかしいぞ? あくまで軍隊としてだな… あとみーちゃんって言うな!」


 ☆


 今の俺にとって鈴代ちゃんとのケンカと言うか漫才と言うか、このやり取りはとても楽しい。

 それと同時にこの真面目で意地っ張りで威張りんぼで素直じゃなくて、それでいて美少女で無邪気に笑って少し抜けた所のある彼女に何となく惹かれている自分を感じる。

 性愛的な感覚が失われているから、この気持ちは妹とか娘を守りたいって言う保護愛なんだと思う。


 それでも今日初めて会ってから2時間も経っていないこの娘を『守ってやりたい』と思える位には、俺は彼女を気に入っていた。


 でもなぁ、たった1回の戦闘で6%も減ってるぞオイ。この調子じゃひと月もしないうちに俺消えちゃうんじゃないかなぁ…?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る