第25話 vs火属性”極”魔法 ①

どうやら準備も終わったようだ。


穴だらけだった戦闘場はすっかり元通りになり、最初の特殊な素材に変わっていた。


今は準備後の閑話休憩の時間だ。


交響楽団が戦闘場の中央で演奏をしている。


そろそろ俺の出番だ。決勝戦、これまでハプニングはあったにせよまぁ順調だ。


しかし、九條奏に会って感じたことだが、彼女はどうやら魔法の才能が凄まじいようだ。


彼女の周りには穏やかだが強大な魔力の存在が見えた。


そんなことを考えながら、俺は待機室を出て階層を降り、入場口へと向かった。




入場口へ着いた。


そこにはすでに太陽坂の面々がいて、一斉に元気な挨拶をされた。


俺も挨拶を返し、言葉をかけた。


「決勝も勝って見せますから、皆さんはこのあとの150万人のまえでのスペシャルライブの心構えをお願いしますね」


はい!!という返事を全員が返してくれた。


すると、


「し、新条さん。頑張ってください!私達が精一杯応援しますから!」


白川さんが俺の前に来てそう言う。応援していた人が。応援してくれるのは純粋に嬉しかった。


「はい。白川さんも頑張ってください」


初めてちゃんと会話をしたはずだが、不思議と懐かしさを感じた。




琴原のアナウンスが鳴る。


そして、入場が始まり、選手紹介も終わって俺と九條は戦闘場の端に配置された。


「そして、決勝戦ではフィールドをかなり変えます!東京の新宿をモデルにした市街地です!」


琴原がそう言うと、円状戦闘場の周が光り、瞬く間にその場所は市街地へと変わった。


都会のビル群が並んでいる。もはや市街地でもない気がした。


「決勝にふさわしい舞台、選手もそろいました!


 それでは、本日最後の試合、つまり全日本高校魔法剣技大会の決勝戦が始まります!!」


「それでは、決勝戦、新条 輝vs九條 奏の試合、開始!」


そのアナウンスで試合が開始した。

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