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 「対戦相手には、タックル攻撃やっ!」

 「っ、が...!何すんねんこのクソボケぇ!」

 ガスッ「あ”...!?何やねんテメェ!雑魚が俺を殴りやがったなぁ!?」

 「知るかクソが!いきなりど突いてきておいて、逆ギレしてんじゃねーよ害児が!!」



 中村一輝に目を付けられたきっかけは、一年生の一学期のある日の体育の授業の、サッカーでチーム戦をやっていた時だった。

 奴は前の小学校では校内一二を争う程の不良だった。中学に上がってからも奴は俺らの学年で不良として知られるようになり、こいつには逆らってはいけないと恐れられるようになるとさらにイキり上がるようになった。


 そんな中村がある日、体育の授業でのサッカーのゲーム中に、俺に悪意あるちょっかいをかけてきたのだ。意味不明なことを叫びながら俺に対し悪質なタックルを仕掛けてきやがった。

 それにキレた俺は仕返しに中村の汚いケツに蹴りを入れてやった。そしたら中村のゴミクソ野郎は、自分が先に攻撃してきたくせに逆ギレして、汚い言葉をとばしながらさらに暴力を振るってきた。その時の俺は、奴の足を払って転倒させるなどテキトーなあしらいでやり過ごした。そうしているうちに後から来た教師によってこの争いは終わった。



 だがこの件をきっかけに、中村は俺を潰すべき敵として目をつけるようになった。さらに本山や谷里ら、奴と仲が良い前原や小西ともグルになって、俺の虐め主犯グループの一人となった。

 自分一人の時では敵わないとその低脳な頭で理解していた中村は、奴一人の時は俺に攻撃を仕掛けなかった。逆に他の虐めグループが一緒にいる時は、意気揚々とリンチに参加して俺を殴り蹴ってくるのだ。


 そんな卑怯で下衆な男なのだ、中村一輝という男は。


 「へはははは!雑魚が、雑魚がぁ!雑魚のテメェがあの時生意気にも俺にたてつきやがって!!生意気なんだよテメェ!他のあいつらと変わらない陰キャラの分際でっ!俺にたてついて恥までかかせやがって!!オラっ!もっと痛がれやクソが!」

 「ぐっ!あ...!ぐあ...!」

 「えははははははは!!そうそう、テメェはそうやって俺ら勝ち組に甚振られてりゃええんじゃボケェ!」

 「......一人では俺に勝てない分際が!雑魚は、お前、だ!この卑劣野郎が!!」

 「あ”?黙ってろやクソがああああああ!!」




 ボゴォ!「っ...!」



 一対一だと俺に勝てないと心の底では分かっているからこそ、こうして仲間を集めて多数で攻撃しにかかる。こいつはそういう弱くて下衆な野郎なんだ...!



 「ははははははは!!オモロっ、おもろいわコイツ!一輝に殴られたその顔オモロすぎww」


 そしてもう一人、俺を虐げるクズ...小西陽介。

 当時のコイツは身長150㎝にも満たないチビだった。そして誰よりもわがままで幼稚な思考ばかり、常に周りに迷惑と不快感を及ぼしていた害悪野郎だった。


 そんなドクズの小西は中村や前原と仲が良く、いつもつるんでいた。二人がバックにいることで誰も奴に強く出られなくなったのを良いことに、二年三年と進級するごとにイキり散らして好き勝手に振る舞い、周りを嫌な気持ちにさせまくっていた。


 中村と同じ一人だと弱いくせに、徒党を組んでる時だけ強い奴ぶってイキがってばかりのクソガキが、この小西陽介である。



 「ははは!そう言えば青山から聞いたけど、コイツ、チ〇デカ野郎なんだって?サイズがモンスターレベルだって?うわ~~キモぉww」



 そして小西は、青山や清水、井村と同じ、手よりも口で俺を虐げるタイプのクズだった。三年の時最悪なことに奴と同じクラスになってしまい。毎回教室で俺の悪口・デタラメな悪評を大声で言いふらしていた。


 そのせいで、俺は学年では肩身が狭い思いをして、嫌な視線を浴びることになった。他のクラスメイトだが、虐められている俺に関わりたくないと誰もが小西の悪ノリを止めようとはしなかった。むしろ、青山・井村・清水と同じく、奴に同調してすらいた。


 そして清水が俺を鼻くそがどうとかで貶めていたのを見て以降、小西は清水以上に俺のことを鼻くそだなんだと言って、ひどく貶しまくってきやがった。



 ある時俺はブチ切れて、小西を思い切り殴ったことがあった。その後俺を待っていたのは、奴と仲が良い中村と前原、そして本山らによる報復という名の理不尽な集団暴行だった。



 ガスッッ!



 「鼻くそがぁ!クズが雑魚が!!殺すぞゴラァ!!」



 ベキッ!



 「陰キャラが俺らにまだたてつくんか!?ええ、杉山ぁ!!いい加減キモいんじゃオラぁ!!」



 ドスッ!



 「テメェは自分の鼻くそでも食って生活してろゴミが!!死ねボケ!!」



 「づ......あ...!」



 この一件があっても、あいつらは、何のお咎めもなかった。俺は全治1週間の怪我まで負わされたのに...意味が分からなかった。

 後に、あいつらが罪に問われなかった理由が、前原優のコネによってのことだと知ったのは、高校へ進学して......そこでもあの3人と遭遇した時だった。




 そう、この3人からの虐めは、中学では終わりにならなかった。成績不振のせいで偏差値が低い高校しか進学できなかった俺を待ってたのは......またも理不尽な虐めだったのだ。

 その虐めの主犯者は2名…中村一輝と小西陽介だよりにもよって俺は奴らと同じ高校へ進学してしまったのだ。前原優だけは勉強ができてたから、一人だけ偏差値高別のところへ進学した。


 とはいえあの二人がいるということで、放課後になると俺が通ってた学校の近くに前原が来ることで中村と小西が中学の時のように結託して、また以前のように俺に酷い虐めを行いやがった。


 暴力は当たり前、ボコボコにされた俺の無様な負け姿を撮影してネットに晒したり、私物をぐちゃぐちゃにしたり、タバコを体に押し当てたりなど、より酷く過激な虐めを受けた...。



 「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”...!!」

 「「「ぎゃはははははははははは...!!」」」


 6年間の俺の学生生活は、主にこの3人によって汚され踏みにじられてしまい、思い出したくもない最低最悪なものとなった...。それが原因でロクな将来しか築けず、失敗して壊れて...死んだんだ。



 

 俺の人生を潰しやがったこいつらだけは、絶対に赦さない、復讐する!

 




 「ぐはっ!おえ...!」

 「あぢぃ!!あんだこれはぁ!?」

 「おい水だ!火がついてる!!」



 爆発の火をくらってパニックを起こすクズ3人を暫く眺めてから、俺はゆっくりと奴らに近づき......



 「水ならここにある...ぜっ!」

 「「「ごばぁ...!?」」」



 3人全員を囲むサイズの大きな水の牢獄を瞬時に発生させて水中に閉じ込めてやった。水の無い所でこの規模の水を発生させた俺は、火で騒いでいたこいつらが今度は水で溺れて藻掻いている様子を10秒くらい笑って観察した後、魔術を解いて3人を解放する。ここで殺すわけがない。これはほんの前座だ。


 「ったく、喫煙所外でタバコ吸いやがってヤニカスどもが。俺が消火活動してやったぞ。感謝しろ」


 数秒間水で咽た3人のうち、前原優が最初に俺に怒声を浴びせる。


 「お前...誰や?いきなりこんな......意味分からないことしやがって!何なんだお前はぁ...!?」



 そう怒鳴りながら前原が片手を後ろにして端末で何か操作しているのを、俺は見逃さなかった。アレは携帯電話とかスマホとかじゃない...警察に通報したわけじゃないみたいだ。奴の性格から考えられるのは......お仲間を呼んだってところか。



 「俺だよ俺。杉山友聖だよ。六年間お前らに理不尽に虐げられた...おそらくお前ら三人のいちばんの被害者だよ」

 「何...杉山だと?...............杉山、友聖か!?」

 「そうだよ前原......お前とは小学の頃から一緒だったよなぁ?九年間同じ場所で勉学を受けた者同士、だ」

 

 俺のことを思い出したことで驚いて聞き直す前原に、俺は鷹揚に頷く。

 

 「はぁ...?優、このクソガキと知り合いなんか?」

 「.........信じられないが、あいつだ。杉山だ。ほら、中学・高校一緒だった...」

 「あ?............あ!あいつか!?俺らが潰したあの――



 ドゴン!――づあ”!?」



 「はい小西君正解。随分背が伸びたな?検索してなかったら誰だか分からなかったぞ」



 俺がどんな奴だったかまで口に出して答えた小西に褒美に拳の一撃を腹にくれてやった。5m程吹っ飛んだ。



 「「な...!?」」



 小西のやられように残りの二人は呆気に取られる。それを気にすることなく俺は一人でに語り出す。


 「いや~~~あの頃とちっとも変わらず、お前らはずっと悪どいことをしては巧妙に警察から逃れてのうのうと暮らしている。あの頃のお前らを害児と呼ぶなら......今のお前らは老害だな?人を陥れて辱めて虐げて、奪っていく。そんな最低蛆下衆糞ゴミクズ、生きる価値無し、この国には要らない汚物が、お前らだよ」

 「あ...?何言ってくれてんだテメェ、おいゴラ」


 俺の罵詈雑言に中村が額に青筋浮かべてガンをとばしてくる。それに対して俺は鼻で笑ってやった。


 「聞こえなかったか?お前らは歩く害悪で、そうやって息をするだけでも万死に値するゴミクズだって言ってんだよ?他人を害することしか出来ないお前らクズ3人は、この俺に今から復讐されるんだよ。学生時代に受けた虐めに対する復讐だ...!」

 「さっきから意味不明なことをベラベラと...!これだけは分かるぞ?テメェは俺らを馬鹿にしてるってなぁ!殺す......」

 「待て一輝。さっきの見ただろ?陽介を吹っ飛ばす腕力がこいつにはある」

 

 俺の挑発にキレた中村だが、前原が冷静に待ったをかける。

 「じゃあどうすんだよ!?こいつを見逃すとかあり得へんぞおい!」

 「こいつを甚振るのは俺らじゃない......ほら、来たぞ」

 「......おお!いつの間に!」



 前原が後方に視線を向けたと同時に、何やら黒い車やバイクがいくつも向かってきて、数十人の黒服やチンピラが出てきて俺を囲んだ。



 「へぇ~~~高校でお前が言ってたボディーガードや暴力団の連中か。こんな奴らをたくさん雇ってるとか、本当に金持ちなんだ?」

 「余裕かましてんじゃねーぞ杉山ぁ。俺らにたてついて......しかもあんな目に遭わせて...!ここは学校じゃねーんだ。今度は、生きて帰さねーからな...!!」





 ヘラヘラ笑う俺に対し前原は怒りの形相で連中を示して脅してきた。......そうだなぁ。まずは俺とこいつらとの明確な力の差ってやつを思い知らせてあげようか…!


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