第146話外の攻防 VSベイク

動いた・・。

セキュリティが解除されたんやな。


アラン、レイ、ベイクの3人。俺の苦手な野郎やん。

此奴らとは性格が合わん!


「どないします?」

社長さんに尋ねて見た。


「そうねぇ。私とバックスレーとゼットであの金髪のお兄ちゃんは殺るわ。」

「アランめっちゃ強いで?」

そう一応言うてみたが社長さんの方が強い気もするわ。


「じゃベイクは俺と?ディード、ガブリエル、ビクターで。レイは任せるわ。」

元締めさんとラズとジハードとリュートでレイを倒してもろうてっと。


部屋の中は攻防戦。負けてはいないが。あのおっちゃん強いわ。

そんな会話をしていると姿を現した。


「性懲りも無くまた来たんですか?」

ベイクが俺の顔を見る。


「せやね。今度は倒しに来たで?」

俺は3人を見る。


うん。此奴らもガチ本気やね。


「ごちゃごちゃするから分かれてバトルしようや?なあ?」

俺がそう言うとアランはニヤっと笑う。


「リョウは本当にそちらの人間になったんだねえ?悲しいなあ?」

いや、全然悲しんでないやろ?

俺、アラン苦手やねん!嘘つきまくりの冷酷男!

社長さんが引き受けてくれてホンマに助かる。


幸いにもこのフロアはユウヤ専用だから広く使える。


「俺と殺ろうや。ベイク。」

そう言うとベイクは呆れた様な顔で


「ふっ・・。良いですよ。」

とまたカッコつけやがって。


ナルシストなベイクも苦手や。

まあ、俺よりイケメンやけどなー。


さて、未使用の広い部屋に入った。

他の2組もそれぞれ分かれた。

ごちゃごちゃ言わず分散出来たのは俺がおるからやろうな。

通常ならあの場でバトル勃発しとる。



「指名手配犯を殺るとボーナス出るんですよ。ふふっ。」

ベイクは嬉しそうに殺気をフワフワと漂わせながら剣を抜いた。


「可哀想になあ。俺はお前、苦手やけど。殺すのは本真に残念やわ。」

俺も剣を抜いた。


ディードとガブリエル、ビクターも構えた。


リオで一緒に特訓してきたコンビネーション見せたろや!

軽い目配せ。


戦う事になるSランクの情報はきっちり暴露している。


ベイク・マスターは・・・。


先制攻撃!


ガキッ!!剣が受け止められた。

この瞬間に直ぐに距離を取って離れた。


ボン!!!


軽い爆破音と煙が室内に立ち込めた。


「やっぱりリョウは素早いね?」

それは心得ているからや。


此奴は火薬や薬品を異能で作り出す。

主に爆弾や濃硫酸が多い。


近距離戦を得意とする。


「なるほど。解った。」

ディード達が俺の剣技を見て頷いた。


いくらイメトレしても実践せな解らへんもんな。


「じゃ、本番やで。」


ディードが勢いよくベイクに詰め寄った。

剣技の猛攻撃。


――手榴弾グレネード――


――縮小自在リダクション――


ディードの異能が上手く成功し爆破は最小限に抑えられた。


おぉ!ディードのレベル上がっとるやん。


「チッッ!!」

ベイクは舌打ちをして異能の中心の攻撃を仕掛けてきた。


広いけど。こないに爆破されたら煙い。


そして硫酸はマジで溶かすんよなあ。


床がガタガタに溶けてきて非常にバトルしにくい足元になってきた。


ガブリエルとビクターは異能無しで体術で応戦している。


この2人も対エメリヒや。

効くか解らへんけど催眠と無音は使えるかもしれん。


異能温存。


少しづつベイクを追い詰めていく。


「クソ!!」

ベイクの息が上がってきた。



――濃硫酸の海コンセントレイティッド サルフェリック エイシィッド――


「来たでーー!!!」

濃硫酸がアホみたいに床に流れて来た。


飛べ!!


天井まで飛び上がり俺は天井を蹴りベイクに向かう。


そりゃ迎え撃つわな?


でもなあ。

そう簡単にこの濃硫酸に突っ込む訳無いやん!


剣は牽制。


奴の首に両足を絡めて回して床にぶっ倒した。


ドスッ!!!


着地はベイクの上に。

はい!満点!


「どいてー!!!」


おっと!ヤバい避けねば!


ディード、ガブリエル、ビクターも倒れたベイク目掛けて踏み付けて着地して硫酸の無い床の方へ飛び移った。


「うん。お疲れさん!」


ベイクは満身創痍で気絶中。


トドメは・・・。


俺も甘いなあ。ヴェガに頼んでみよう。


「えーと。殺したいか?」

ディードに確認した。


「俺達で倒せる相手だから。」

その言葉は殺さないと取るで?


――催眠系睡眠ヒプノシススリープ――


ガブリエルがベイクに異能をかけた。

「これで大丈夫。」

「おおきに。」


ベイクを抱えて部屋を出た。


「おっ。召喚士ユウヤに勝ってるやん!」


「やった!!」

4人で顔を見合わせて笑顔が零れる。


俺達は皆の待つ部屋に入った。

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