第14章 決戦まで後〇〇日
第129話ボスの脳内計画。その2
張さんに迎えに来てもらい転移。
毎度お世話になりっぱなし。ヴェガ達は一旦リオへ。
ミナキは漫画家さんを連れに行った。
残りの俺達はアジトへ帰宅。
「お邪魔します。」
「失礼します。」
借りてきた猫の様にオーガとリュートは大人しくオドオドしている。
あの性格は全ては脳内チップのせい?
「大丈夫やで?ってか大丈夫か?」
リョウが気さくに話し掛けても無言で頷いて緊張している感じ。
ソファに掛けて貰いジハードとディードに飯を用意して貰う。
そうこうしていたらミナキが漫画家さんを連れて帰宅した。
「リュート!オーガ!聞いたよ!!」
2人は漫画家さんを見た途端に安心したのか立ち上がった。
「マコトさん!」
「マコトさんだあ!良かったぁ。知ってる人が居るぅ!」
改めて見ると2人は年相応で不安で仕方なかったんだろう。
「本当にありがとうございます。やっぱり俺は2人が主人公の漫画を描きたいけれど。2人を助けて欲しかったんです。」
漫画家さんは深々と頭を下げて少し涙ぐんでいた。
オーガもそれに習って頭を下げた。
「あの。俺、今まで沢山、暴言を吐きまして。何と言ったら良いのやら。」
ああ。それ気にしてたのか。
「特に俺の事、嫌いでしょ?」
アルージャが意地悪そうにクスクスと笑う。
「リュートは俺が苦手だろ?」
バックスレーもゲラゲラ笑ってるし。
2人は気まずそうに苦笑いしていた。
「俺達と色々あったけれど。水に流してさ。これから君らにも政府潰しを手伝って貰いたい。正確には大元帥を殺れたら良い。」
俺は自己紹介もしなければとは思ったが先に聞いて貰いたかった。
勿論、漫画家さんにも。
「大元帥の異能!そうか!思い出しました!」
オーガは大きな声でそう言った。
「君の異能破棄は効く?」
最も重要な所だ。
「効きます。だから俺の脳内チップは特殊だって。この世界に来た時に元帥に言われたのを思い出しました。」
そう答えたかと思うと少し顔が青ざめた。
「オーガ。大丈夫?俺も怖かったの思い出した。」
リュートも泣きそうな顔で横のオーガを見詰めた。
「俺はレア異能だけど厄介だって。だから普通は洗脳するらしいけど効かないからって体術で・・。」
オーガは自分の身体を擦りながら怖かったし凄く痛かったと苦渋の表情。
「ゲスやなあ。あんなおっさんやけど強いねん。」
リョウが気の毒にと言う顔をする。
「確かに脳内チップがリュートのよりちょっと大きい。ほら?」
アルージャが2人に入っていたチップを見せてくれた。
並べると確かに5ミリ程差がある。
異能破棄が使える事は確定か。
問題は・・。もう一度オーガの顔を見た。
やっぱり現段階では個人にしか効果なし。
要するにオーガへの異能攻撃にだけ効果がある。
それでは倒せないな。
「良し!オーガ!異能の精度アップ
!異能破棄が仲間にも効果が出る様に特訓な!」
うん。それでいこう!
「仲間に・・・。何か!それ良いですね!何だろう。こう・・心が温かくなる。」
オーガは目をパチパチさせて俺の顔を見る。
「うん。仲間って。オーガと組む事あったけど。何か今まで違ってた?よね?」
リュートも不思議そうな顔をして胸に手を当てる。
「当たり前なのに解らない。本真にそうやねんなあ。」
リョウがしみじみと頷き。
「俺も何にも疑問に思わなかったですよ。今、ちょっと苦労してます。」
と漫画家さんも頷いた。
「俺は!どうしますか?頑張ります!」
リュートはそう笑顔を向ける。身体強化型はやっぱり。
「バックスレー!強くしてやって。」
バックスレーはニヤっと微笑む。
「さてと、2人の暫くの特訓は決まったから自己紹介しようか。今更だけど。」
昨日の敵は今日の友みたいな感じだ。
俺達の自己紹介で1番驚いていたのはゼットが獣人だと言う事。
そして、獣人の過去話。
ミナキの特殊なエラー召喚の話。
次いでにカップル話などもした。後々解るより今が良い。
「経緯を聞いたら納得ですがショック!!」
「俺もぉ!お姉様方もなんですよね?」
2人はエルーカとバニラに色々と快楽与えて貰ったしなあ。
申し訳無いが、割とあっさりと納得してくれて良かった。
「あっ。俺達もリョウさんみたいに指名手配犯になるんですよね?」
リュートが不安そうな顔をした。
「いや?俺の予想では死んだ事になるんじゃないかなと思う。漁港に船は停泊してるし。2~3日したらマフィアに殺られたって事に。」
多分、あの手術は見られていないし。
2人は少し安心した顔で。
「そうか。それなら早めにカード作らないと。後は口座!!凍結してしまう!」
アルージャが2人の貯金を移動させないと。と早速アルージャは取り掛かった。
「あの!!」
オーガが口を開いた。
「俺、頑張ります。異能破棄の特訓。でも、どうやって大元帥のフロアに行くんですか?Aランクでも上の階には行けない。」
そう言えば・・・。考えていなかったなあ。
「そやで!それそれ!Sランクでも20階の大会議室までしか入れへんよ?」
リョウもそう言った。
「あのー。やっぱりハッキング?」
ミナキがボソッと呟いた。
アルージャとミナキが見たまだ続くアインシュタイン総帥の最奥・・・。
セキュリティを破壊するにはそれが最適か。
まだやる事あるなあ。
しかし、万全の体制で。
それが全員生き残る道。
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