第5話湯布院温泉
ボク達は食事をすませ、その後も少し打ち合わせをして、旅館を出て駅に向かった。
彼女は左手に荷物を持ち、右手はボクの腕に絡ませ腕を組んでくる
「空、天気よくて気持ちいいね、これからどこ行くの?」
「レンタカーを借りて、菊池渓谷に行ってそこから湯布院に行こうと思う」
真帆はほんとうに嬉しそうに応える
「楽しみ♪空と一緒だったらどこでもいい♪」
なんか露骨に見せつけてるなぁ…
それに時々聞こえるいつもの言葉
『あのちびっこが男?女じゃないんだ』
ムカ!ってするいつもの言葉、まぁレンタカーに乗るまでの辛抱だし
ボク達はレンタカーを借りて渓谷に向かう
真帆が楽しそうに話しかけてくる
「空、私こんな楽しい気持ちになったの初めてかも、いつも相手のこと気にして、警戒して男性とお付き合いしてきたから…
空といると素直な自分でいられる、本当に楽しい」
ほんとうに楽しそうだ、演技でここまではできないだろなぁ…
まぁ喜んでるしよかったよ、でもこの状況は…
「真帆あのさ、車の中まで腕絡めなくてもいいんじゃない?頭も肩にのっかてるし、密着が半端ないんだけど…ハハハ」
真帆は何を言ってるのって感じで応える
「もし車でついて来てたら、見られたとき、この方がいいでしょ!
止まった時も周りから見られても、恋人アピールできるし嫌なの?」
「いえ、いいのかなぁって思ったから」
「じゃこのままね♪」
ぐぅ…
「わかった…」
ボク達は渓谷に到着し車を渓谷入り口駐車場に止めた。
勿論恋人アピールのため手を繋いで渓谷に入った。
渓谷は遊歩道が整備され、渓谷を流れる川の中に所々に現れる綺麗な滝を見ながら散策する。
時々二人でお互いのスマホで写メを撮りながら、恋人アピールをする。
真帆は今までの心の鬱積が晴れていくような気持ちになり、楽しそうにはしゃぐ
「空、ここって、マイナスイオンが半端ないね、素敵な渓谷だね♪連れて来てくれてありがとう」
真帆さんてほんとうに綺麗だ!最初会った時よりめちゃめちゃ輝いてる。
「ここは、ボクのお気に入りの場所なんだ、夏に来たら周りの木々の緑と合わさって、もっとリフレッシュできると思うよ♪」
「そうなんだ、じゃ今度夏に連れて来てくれる?」
「え?あの真帆がよければまた一緒に来ようか」
「うん♪一緒に来る」
こうして二人は渓谷散策を楽しみ車に戻って来た。
ボクは真帆の手を握り車に近かづくと車のある部分に何か塗ってあるのに気が付く
『なんだあれ?ドアの取っ手何塗ってる?ペンキかな?』
ボクたちが立ち止まってるのを見て、背後から3人の男が近寄って来て声をかけてくる
「すみません!その車の方ですか?
その車に何かしてたようなので、注意をしたら逃げたので、念のため用心してください!
一応確認してもらえないですか、心配なら、こちらで業者の手配しますが」
なんかもっともらしい事いってるけど、ボクは話しかけて来た男たちを見た。
男たちは明らかに管理の人間ではないのがわかった。
体格にその風貌、態度、完全にこっちを見下してる
ボクは真帆に小声で
『ボクから絶対離れたらダメだからね、あいつら管理の人じゃない!
怪しすぎる。
大丈夫真帆は守るから!』
真帆は頷き身体を密着させて来る
『空怖い・・』
『大丈夫ボクに任せて』
ボクは近寄って来た男達に少し渓谷に戻る事を告げる
「わかりました。後で調べてみます。
ちょっと渓谷の遊歩道の休憩所に忘れ物したので取りに行ってきます。
わざわざ教えてくれてありがとうございます。
車の事は調べて、異常があったらボクがレンタカー会社に連絡します」
男達はボクが車に近よるのではなく、そのまま離れて行くことに男たちは驚き、慌ててる
「車を先に、調べてもらえませんか?業者呼ぶ都合もあるので」
何言ってるの?業者?違うでしょ警察だろ!
駐車管理人の腕章はどうした!
こいつら怪しすぎだろ!
ボクたちが車を見て立ち止まって、取っ手のところに何か塗ってあるのが気づかれた。
それで焦ってる?そういうことかな、それなら動かせてやる
「いえ!大丈夫ですよ。大体のことはできるし、それにレンタカーですから、自分で連絡しますよご心配なく」
ボクは小声で
『真帆注意して、動いて来る!』
「おい!美人の恋人連れてるからっていい気になるなよ!さっさと車にのればいいんだよ!」
男達は隠し持っていた収納式の警防を振りかざし襲って来る
真帆が悲鳴をあげる
「キャー」
フン!
ダダダダダ・・
ボクは真帆を引き寄せお姫様抱っこして、男達から離れ真帆をおろす
「ボクが、あいつらを引き付けてるうちに、運転席側に回りってドアロックを解除して、後部席のドアから乗り込んでドアをロックして!
わかった?もしボクが叫んだらボソボソ…いい?ボクのことは心配いらないから」
それだけ言うと、ボクは男達に向かって走りだした。そして男達を挑発し真帆に向かないようにする。
「犯罪者に騙された馬鹿な奴、遊んでやるからおいで!」
ボクは片手を前にだし手招きするように挑発する
ヒョイヒョイ
「てめえー!ちびのくせに!ぶっ殺してやる!」
「ばーか!後で警察にも連絡してあげるから、3人ががりでしかも武器まで持って、情けない!馬鹿3人おいで相手してあげるから」
男達はボクの挑発に益々怒りをあらわにして、ボクだけに襲いかかって来る。
ボクは彼女に合図を送り、リュックから濡れタオルをだし、男達の相手をした。
3人共ショート棒を、ボク目掛けて振りかざして来る!
一人は首を、もう一人は頭を、残りの一人は腹を狙って振りかざしてくる。
「おらー!死ねやーー!」
「ちびーー!」
「おらーー!」
頭を狙って来た男は見事にボクの振り抜いたタオルが手首にヒット!
男はショート棒を落としてうずくまる
ヒョイ
ふん!
バシーン!
「ギャーー!」
「あたらない!やぁー!」
首を狙って来た男は、タオルを、振り抜いて回転してる状態から、もう片方の手の裏拳で、もう一人の男の顔面にヒット!
ゴチ!
ギャーー!
バタン
二人目の男もうずくまる。
3人目の男の、振りかざしてくるショート棒は、さすがに交わすことができず、ボクの腹におもいっきりヒットして、ボクは、身体ごと吹き飛びうずくまる
ちっ!
ドス!
ゴロゴロ
うっ…
そこに一人目の男は起き上がり再びショート棒を振りかざしてくる
おらーー!
そんなに喰らわない!
ボクは相手の動きを見て、相手に足払いをかける!
やぁー!
ズカッ!ドスン!
そして倒し相手の腹に裏拳を叩き込む!
「眠ってろー!」
ドス!
ぐぇー
相手はのたうち周りショート棒を離す、ボクは、男達のショート棒を回収して、遠くに投げる。
男達を動けなくするために、一人一人拳を打ち込む!
ドス!
ドス!
ボクにダメージを与えた、最後の一人は真帆に向かって走る。
ボクも追いかけるが先ほどのダメージがあり、追いつかない…
くっ!ボクは手に持ってる濡れタオルを投げるも届かずボクは叫ぶ!
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