手紙の代わりに、思い出話を

卯月あと

はる

凍えていた木々が白装束を脱ぎ

赤や白の花で着飾る

春がくる


やがて木々は桜色の花を纏う

春がくる


ぽろぽろと溢れる 思い出のように

赤や白がこぼれ 別れのときがくる


ヒューと吹く 春一番

それに伴い ひらひらと


桜色が舞い踊り

新たな出会いを連れてくる


またね と 初めまして

それぞれの挨拶が飛び交う季節


君からの告白は別れを告げる春だった

私の返事は新たな出会いを告げる春だった


君との新たな関係を始めた季節

今年も変わらずやってくる


君はもう隣にはいないけど

それでも春はやってくる


君との大切な日を連れて…

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