2章 中学生

第16話 制服を受け取る

今日は学校の制服を受け取りに行く。

学校があの有名校である【白蘭】だから制服も当然高価だ。

そのお高い制服を2枚作らせている。

オートクチュールってやつだとおもう。

と言ってもお金は掛からないんだけどね。なぜならば瑞穂は特待生だから!


我が家は特別お金持ちでは無い、しかし小学6年に上がったばかりの時に担任の先生から「瑞穂さんの成績ならば白蘭に特待生として推薦出来ます!」と言われたのだ。

資料を見せてもらった所、入学金・学費・寮費(入寮した場合)・制服代・教科書代・その他。これらが全て無料になるのだ。

なんという太っ腹!更に校内学力ランキング上位に入ると、食券までも貰える。

つまり特待生で居る内は筆記用具代くらいしかお金がかからなくなるのだ!

最高だね!


特待生待遇を得られる条件は学年学力ランキングで3位以内に入ること。

3位以下になると特待生じゃなくなるので必死に維持する必要がある。

一度落ちたらもう二度と戻れないからね。

特待生で居られるのは特待生として入学してから、3位以下になるまでの期間のみ。

入学後に特待生になることは基本的に無い。例外もあることは有るが、滅多に無い。

例外の例として、在学中に家が没落したけど優秀な生徒だったため特例として特待生にした、っていうのがあった。

つまり学園側が"通えなくなるには惜しい生徒"くらいの存在じゃないと特例が認められないってことだね。

白蘭の特待生制度はそんな感じだ。


そんなわけで瑞穂は制服を取りに制服屋さんに来た。両親も一緒だ。

もう12歳なのに両親にとってはまだまだ子供だと感じるらしく、一人で出来るお使いも送り迎えしてくれる。

「制服を受け取るくらい一人でも出来る!」とちょっと反抗期っぽい事も言ってみたが、ニコニコ笑顔でのらりくらりと躱されて、受け取りは瑞穂一人だけど、送り迎え付きって事になった。まったく子離れ出来ない親たちだなぁ。


※実際のところ、瑞穂は身長が低いため、見た目8~9歳ほどの幼女に見えるので両親が小さい子扱いするのは仕方なかったりする。



「いらっしゃいませ~」


瑞穂と同じ年齢(中1)くらいの女の子が店番をしていた。実家の手伝いとかだろう。

愛想が良くて可愛らしい子だ。看板娘ってやつかな?


「完成した制服を取りに来た逆神です。」


「はい・・・え?・・・あ、はい!」


看板娘ちゃんは名前から商品を探し、商品にくっついている伝票を確認し驚いてる。どうした?


「おまたせしました~中学生だったんですね、てっきり小がk・・・ゲフンゲフン!代金は受け取り済みですね!直しが有れば2週間以内なら手直し出来ますので連絡してくださいね!」


小学生って言おうとしたな!?

いや、確かについ最近まで小学生だったけど!


「どうも。」


激しくツッコミたいけど、グッと我慢する。

大丈夫、小さいのは今の内だけだ。中学生のウチにグングン伸びる・・・予定だ。


制服を無事受け取ったので、お父さんが運転する来るまで帰宅。

途中でお母さんが「中学生になったんだから、ブラと少し大人っぽいパンツ買わないとね!」と言ってお父さんが吹き出していた。

ブラねぇ・・・必要か?

今の所、肌着(パッド付きキャミソール)で間に合ってるぞ?

大人っぽいパンツは少し興味がある。今の瑞穂のパンツはおヘソまで覆えるお子様パンツだからな。少し暗い色気のあるパンツでも良いと思う。

蓮華ちゃんとかド派手だしね。


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