第88話 ベトナム人彼女のお母さんが入院したので病院へ行く
ベトナムのトゥイの実家であるベンチェに到着すると、トゥイの妹の子供のタムちゃんがとても喜んでくれた。何やらベトナム語でタムちゃんがしゃべっている。
ベトナム人女性のトゥイが日本語に通訳してくれたのだけれど「またゲームセンターに行きたい。アイスクリーム食べたい。ケーキ食べたい」と欲望丸出しのリクエストしてきたようである。
タムちゃんの母親はホーチミンで出稼ぎ中なのでタムちゃんは母親のいない寂しい毎日を送っている。
そんなこともあり、日本人男性の私とトゥイはタムちゃんのやりたいことを叶えることにしたのである。
ベンチェのデパートのゲームセンターでは一部のゲーム機器の電源が入っていなかった。節電中だったのだろうか。謎である(笑)
デパートでアイスクリームを購入したら、タムちゃんが「すぐに食べたい」と言ってきたので、デパートの中にある椅子に座ってアイスクリームを食べさせた。
私もトゥイもアイスクリームをピンク色の服につけてしまうんじゃないかとハラハラしながら見守った。一方、タムちゃんはアイスクリームを食べるのに夢中であった。
ケーキ大好きなタムちゃんと家でのんびりまったりケーキを食べた。あくまで私の感想であるが、日本のケーキと比べるとベトナムのケーキはやや甘さ控えめのような感じがした。
私とトゥイの間に、すでに4歳の子供がいるような日々をタムちゃんを通じて体験させてもらった。
子供って可愛いなぁと思うのと同時に子育てって本当に大変なんだろうなぁと感じたのであった。誰しも子供時代がある。ほとんどの人たちは親に育ててもらった経験があるだろう。改めて親のありがたみが分かったような気がする。
私とトゥイとタムちゃんとバイクに乗ってベンチェの夜道を走ったのだけど、中にはバイクを4人で乗っている(子供も含む)人たちも見かけたし、最高はバイクを5人で乗っている(子供も含む) 人たちも見かけたりした。
基本、小さな子供をバイクに乗せる時は一番に前に乗せるか。もしくは真ん中に乗せるのがいいみたいである。小さな子供をバイクの後ろに乗せてしまうと、ベトナムの場合、小さな子供をさらう人がいるらしくトゥイは危ないよと言っていた。
小さな子供を保護者の目の届かないところで一人で遊ばせるのも危険らしい。たしかに小さな子供が一人でいるのは今のところベトナムでは見かけていない。
私は日本で生まれ育ったというのもあり、幼稚園児の頃、一人で自転車に乗って出かけたことがあった記憶がある。日本だからこそできたことなのかもしれない(あくまで私が幼稚園児時代の昭和の話)。
トゥイの母親は会社で働いているのだけれど、ある日の朝、腰が痛いとうずくまった。あまりにも腰痛がひどかったので仕事を休んだ。
病院にトゥイの母親、トゥイ、タムちゃん、私でタクシーに乗って向かった。あまりの激痛で歩くのも大変だったみたいである。
初めてベトナムの病院に入ったのだけれど、私の顔つきがベトナム人に見えなかったらしく、患者の人たちが私を見てベトナム語で「あの外国人は台湾人じゃないか? 韓国人じゃないか?」と言っていたらしい。
※残念ながら日本人じゃないかとは言われなかった。
トゥイの母親は検査の結果、入院することになってしまった。それはホーチミンで出稼ぎ中のトゥイの妹にも知らされたのである。
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