第37話 ベトナム彼女が刺青(タトゥー)を入れたいと言ってきた結果www

 ベトナム人女性のトゥイは髪を赤色に染めているらしく、室内では分からないが、太陽の光に髪の毛が照らされると赤色の髪だと分かるらしい。


 日本人男性の私は髪の毛を金髪にしたり、茶髪にしたりするのは個人の自由なのは分かっている。


 分かってはいるのだけれど、西洋や東欧系の金髪の外国人女性じゃあるまいし、東南アジア系の女性は日本人も含め、黒髪でも十分魅力的だと思っている。


 かと言って日本人男性の私は、トゥイに「赤色に髪の毛を染めるのはやめろ! 黒にしてくれ」とは言わずにいる。


 本人が好きでやりたいことは、基本、自由でいいかなと思っている。ただし、もしもトゥイから「あなたの好きな女性の髪の色は?」と聞かれたら、「イエス! 黒髪は正義。黒髪バンザイ」と答えることだろう。


 とまぁ、黒髪好きの私で、基本、女性の好きなことは自由にさせてあげたい気持ちもある。しかし、まじこれは家族会議ものだなと思う出来事があった。


トゥイ:わたし入れ墨を入れようと思ってる。


私:え?


トゥイ:刺青、タトゥーね。


私:ちょっと待て!


トゥイ:何が?


私:刺青はやめた方がいい。


トゥイ:何で?


 これは非常にまずい展開だと私は思った。刺青(入れ墨)はタトゥーとも呼ばれ、ファッションの一部なのは私も分かっている。


 しかし恋人が刺青をしようと思っている発言は、全力でやめさせなければならない。


私:刺青したら、日本の温泉やプールは断られて入れないよ。


トゥイ:いいよ、トゥイは泳げないから大丈夫。


私:温泉行けないってことは、日本の旅行とか行けなくなるよ。


トゥイ:だって、トゥイの妹がいっしょに刺青をしたいと言ってきたから。


私:とにかく刺青はやめた方がいいよ。全員じゃないけど、刺青に対して偏見を持っている人もいるし、差別する人もいる。


トゥイ:そうなの?


私:うん、それに刺青を消したくなった時、お金かかかるよ。


トゥイ:うん、あなたはトゥイが刺青すること嫌なの?


私:うん、ダメだよ。やらない方がいい。絶対。


トゥイ:分かった。トゥイはやらないよ。


 こうして私はトゥイが入れ墨を入れることを未然に防いだのである。一歩間違えば事後報告で「刺青したよ」と言われていたかもしれない。


 ベトナムの芸能人の写真を見た時、普通に刺青をしていた人がいたので、ファッションの一部として、刺青をしているのだろう。もしかしたらベトナムでは空前の刺青ブームがあるのかもしれない。


 しかし私とトゥイが国際結婚をしたのならば、トゥイは日本で生活する時もある。私にしてもベトナムで生活する時もあるだろう。


 私は古い考えの持ち主だと言われてもいい。現状、日本の温泉やプール等では刺青をしている人はお断りの場合が多い。


 仮に子供が産まれて、子供が母親にプールに行きたいと言っても、母親が刺青をしているばっかりにいっしょに行くことはできないことだってありえる。


 家族で温泉に行くのも厳しくなるかもしれない。なるべくリスクは少なくしておいた方がいい。そのような考えから、私はトゥイが刺青をすることに反対したのである。


 ベトナムは刺青に対して寛容なのかもしれない。また、刺青が当たり前の国だってあるだろう。今回の刺青事件で感じたのは、前もってやってほしくないことはリスト化しておき、外国人彼女に伝えておく。

※女性の場合は、外国人彼氏にやってほしくないことを伝えておくといいかも。


 そのことによって事故報告で唖然とする事態を防げるような気がした。さいごに、入れ墨(タトゥー)をファッションの一部として入れるのは自由だ。


 しかし、恋人なり妻が刺青を入れたいと言ってきたら、私はノーと答える。それにしても事後報告じゃなくて良かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る