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慌てて取ると、何だか沈んだ声がする。
「結衣ちゃーん、クリスマスはデート?」
「えっ?うん、そうだけど。」
仲良しの未菜ちゃんだ。
私の答えに未菜ちゃんは鼻で笑った。
そうだ、経験豊富(だと思う)の未菜ちゃんに相談したらいいんじゃないだろうか。
「ねえ、未菜ちゃん、瞬くんにクリスマスプレゼントって何をあげたらいいんだろう?」
「はいぃぃぃ?」
「いや、あの、クリスマスカードを作ったんだけどさ、やっぱり子供っぽいかなぁ?」
私は今しがた完成したばかりのクリスマスカードを片手に、恐る恐る未菜ちゃんに聞いてみる。
「うん、子供っぽい。」
未菜ちゃんは間髪入れずに肯定し、私は一気に落ち込みモードへ突入だ。
やっぱり子供っぽいかぁ。
そうかぁ、そうだよねぇ。
ガックリ項垂れていると、電話の向こうでクスクス笑う声が聞こえた。
笑い事じゃないんですけど。
「いやいや、子供っぽいけど、瞬くんは嬉しいと思うよ。」
「いいよ、フォローしてくれなくても。」
「結衣ちゃんらしくていいってば。そこにメッセージいっぱい書いてみたら?結衣ちゃんの気持ち、きっと伝わるよ。」
未菜ちゃんに言われなくても、メッセージはすごくすごくいっぱい書いた。それを思って私は苦笑いしてしまう。
「未菜ちゃんありがとう。でさ、肝心のクリスマスプレゼントなんだけど、買いに行くの付き合ってくれない?」
「女子高生か!」
未菜ちゃんは盛大にツッコミながらも、快く了承してくれた。やっぱり持つべきものは友達だ。
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