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駅前に行くとすでに瞬くんは待っていた。

遠くからでもわかってしまうほど、瞬くんはかっこよくキラキラしている。

私に気付くとニコリと微笑んだ。


「ごめんなさい、お待たせして。」


「いや、結衣ちゃんに会いたくて早く来ただけ。今日も可愛いね。」


「かわいっえっ、あり、ありがとう。」


瞬くんのストレートな言葉に、嬉しいけれど動揺してしまう。

ドキドキが抑えられなくて困る。


「はい、これ写真。」


瞬くんはカバンから写真の束を出す。

受け取ってパラパラと捲ると、人数分しっかりと焼き増しされてた。


「ありがとう。お金、いくら?」


私が財布を出そうとすると、すぐさま拒否される。


「いらないよ。」


「えっ、ダメだよ。こんなにたくさんだし。きちんと払う。」


一、二枚ならまだしも、タダでいただくにはさすがに多い枚数だ。

私も素直に引き下がれなくて、財布を開いた。


千円札何枚出せばいいだろう?

いや、むしろ一万円くらい渡したほうがいいのかな?


瞬くんが提示してくれないので悩む。

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