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たくさんの写真を見てて思う。瞬くんは撮るのが上手い。私が撮るのとは雲泥の差があるように感じて素直にそれを口にした。
「瞬くんって写真撮るの上手いね。構図とかしっかりしてる。プロみたい。」
私の言葉に瞬くんは目を細める。
「そう?一応プロの端くれだからね。結衣ちゃんに喜んでもらえてよかったよ。」
「プロの端くれ?」
「情報紙も作ってて、写真撮ったりもするんだ。」
「編集者?カメラマン?」
私の疑問に瞬くんは少し考えたのち、
「まあ、どっちもかな。」
と言った。
編集者もカメラマンも、私には未知の世界だ。
保育士とは全く違う仕事。
保育士以外、他の社会を知らない私にはすごいの一言に尽きる。
「すごいね。かっこいい。」
だから思った感想をそのままストレートに言っただけなのに、なぜか瞬くんは目をぱちくりさせて手で口元を覆ったかと思うと私から目をそらす。
「?」
意味が分からなくて首を傾げていると、瞬くんはぼそりと呟いた。
「…ありがとう。」
もしかして照れているのかもと思ったら、何だか私まで緊張してしまって、ごまかすように照れ笑いをした。
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