20
「良かったな、マリー」
商業ギルドから外に出て、指輪を眺めながらニコニコしているとゲイルが話しかけてくれる。
「うん!知らなきゃいけない事も沢山出来たけど、一気に色々進んだ気がする!
本当にありがとう、ゲイル!アレン!」
お礼を言い、今後の事を話しながら歩いた。
お金の単位や使い方、文字の習得。
魔力のお勉強もだが、こちらが最優先事項の様に感じたのでその様に伝える。
「そうだな。明日からみっちりやろう。」
「ありがとう!楽しみだなぁ~」
文字を覚えるのを1ヶ月後までに出来るかは謎だったが、言葉は通じるから何とかなるか。
お気楽な頭で良かったなと思う。
何より、仕事が出来る事が嬉しい。
食材を買いたい、と言うゲイルと共に買い物をする。
『デートらしくなってきたの。手は繋がんのか?』と
またも、アレンが爆弾投下して来たが
断固拒否して家に帰った。
晩御飯は私も食材を切ったり、スープの灰汁を取ったり焦げ付かない様に混ぜたりして手伝える所は手伝った。
料理は諦めましたよ。
ここはゲイルの家で、ゲイルのキッチンなのでゲイルの神聖な場所なのだ。
屁理屈では無い。
2人で楽しく食事をして、片付けながら
暦の話しをした。
1日=24時間
1週間=6日(
1ヶ月=30日
1年=12ヶ月(360日)
となるらしい。
片付け終えたゲイルが、壁に有ったカレンダーを見せながら教えてくれた。
やはり、あちらの物ととても似ていて分かりやすい。
ついでだ、とお金の単位やアルファベット表のような物も作ってくれた。
お金の単位は『ジェニー』
あちらで言う5の単位(5000円、500円等)が無いだけでほぼ同じ。
単位、銭じゃんとか思ってはいけない。
絶対落ち人さんが作ったものだ。
文字は、アルファベットと同じ26字。
試しに例文を書いて貰った。
どうやら文法も規則通りに読めば問題無い様だ。
どれも覚えやすそうで安心した。
後は単語をひたすらに覚えるだけだ。
勉強は嫌いでは無いので、頑張って覚えよう。
表まで作ってくれるゲイルには
感謝してもしきれない。
例文が『おはようございます。マリーはお元気ですか?』なのが小っ恥ずかしいが。
沢山お礼を言って、私はお風呂に入る。
出たら、部屋に居るゲイルに扉越しに声を掛けて2階に上がるのだ。
こちらに来てからの夜のルーティンをこなし部屋に戻った。
これからの事を考えながら
ベッドに身体を沈めた。
すると余程疲れていたんだろう
少し横になるだけ、と思っていたのに
瞼は重く、直ぐに寝入ってしまっていた。
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