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女神様がそう言った瞬間、真っ白な光が指したので眩しくてギュッと目を瞑った。
唖然とし過ぎて質問すらも出来なかったな…と思いながら、ゆっくり重い瞼を開ける。
「気が付いたか?」
ここは?
木目が視界一杯に見え家の全貌が見えてきた。
木造の重厚な感じ。
横になるベッドは生成り色をしているが柔らかい素材で清潔さを感じる。
声のする方向に未だ半信半疑のまま視線を向けた。
…………ゲイル様だ。
本物のゲイル様。
大きな狼を背に持たれながら本を読んで居たらしい。
本を置き、私の近くのスツールに座った。
なんて美しい色をお持ちなんだろう…
尊いとはこの事だ。
紙に恋して数年の私の目の前に、本物が居るのだ。
しかも白黒の世界からカラーへ飛び出して来た。
いや、実写なんだけどそんな感覚で
推しの接近に脳内がパラダイスでお祭り騒ぎだった。
「もしかして言葉が分からないのか?」
「……!!す、す、すみません!!話せます…
言葉も理解出来ています…」
惚け過ぎて思考が止まっていたので、自然と言葉を無視してしまっていたのを深く詫びようと身体を起こそうとした。
顔はきっと真っ赤だ。
「……痛っ!」
「無理に身体を起こさなくて良い。
大した怪我では無いが水面に叩き付けられたのだ。
かなりの衝撃だっただろう」
「あ…ありがとうございます」
全身打撲状態なんだろう
身体中ズキズキしている
お言葉に甘えて上半身だけ起き上がらせて貰うことした
「もう一度問う、お前は何者だ。
何も無い所からいきなり現れ、落ちてきた」
『ゲイル、この者は異界の匂いがする』
「(狼さん…口動かしてないけど伝わるわ、なんてファンタジー!) 私は真理です…信じて貰えないかもしれませんが、違う世界から参りました…」
「マリー?俺はゲイル、この家に住んでいる。
そうか、落ち人か」
と、先程まで寄っていた眉間の皺を軟化させてゲイルは納得した様に頷いた。
推しに嘘を付く事が嫌だったので正直に話すと、発音は何となく違うがゲイルに名前を呼ばれたと言う事実に少々キュンとしてしまった。
私は今日からマリーだ。
そう、すんなり思えた。推し強し。
「落ち人…?」
「何十年かに一度訪れる異世界からの来訪者の事だ、極めて稀だが存在する。
髪色が黒なのもこの世界には余り存在しない」
『魔法陣も無く突然現れているのも見ているしな』
成程、前例が有るし目に見たものは大事だよねと狼の方を見る。
『…?お主もしや我が見え、声が聞こえるのか?』
「「…え?」」
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