1.ここはお城? 私は……?


 きらきらとまばゆいシャンデリア。赤い絨毯。金箔や宝石で飾られた数々のオブジェや絵画を収める額縁。


 それらに負けないくらいにきらびやかな人たち……


 ここはどうみてもお城である。

 ヨーロッパ旅行すると山や川沿いに見られる重厚な城塞風ではなく、郊外やテーマパークでみられるような、見せる事を前提としたいわゆる『ザ・お城!』ってイメージを押しつけるような、過剰な装飾を施したものだ。


 ダンスホールに集められているのは、成人前後の若い男女。


 ティアラやブローチ、ネックレスに指輪。数々の宝石と色鮮やかなドレスに身を包み、羽根飾りの扇で口元を隠して微笑む淑女たちは、さながら南国の極彩色の鳥のよう。私にはちょっと胃もたれしそうな派手はでしさだ。


 同じように、宝飾品で飾り立て、ドレープも優雅なドレスシャツを着た若者が、獲物を狙う肉食獣のように、彼女達を値踏みしている。



 で、なんで、私はこんなところにいるの?



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