第八章十一節 命懸
「何だ、動かん……!?」
透明化した
「閣下、見えない何かが
「振りほどくか……くっ、しぶとい!」
凄まじい膂力と握力、そしてノートレイアの執念でもって、
(そろそろか……!?)
やがて、最後の一人がグライス家の屋敷に突入する。
それを見たノートレイアは、すぐさま
「さぁ、まだまだ遊んでもらうよぉ!」
「小賢しい……!」
フローラが毒づくが、
そして
だが、ノートレイアもノートレイアで、決定打を仕掛けられなかった。
(しぶといねぇ……。大隊規模で一斉に光弾を浴びせても、ほとんど通じちゃいない。おまけにあの膂力……。認めたくはないけど、
2個大隊を壊滅させた圧倒的な性能は、伊達ではない。万一通じなかったら――ノートレイアをして、そう思わせる相手だ。
迂闊に手の内を見せられないノートレイアは、結果としてあまり積極的な攻勢に出られなかったのである。
(ったく……ここまで命懸けな戦いも久々だよ。
透明化状態を解かないまま、ノートレイアは時間稼ぎを続けていた……。
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