白と黒の村


 白い村に旅人が訪れた。

 旅人は尋ねました。どうしてこの村はこんなにも白いのか。

 村人は応えました。黒い色は汚いじゃないか。だから、白いモノだけが村にいていいのさ。

 旅人は呆れて隣の村へ歩いていきました。




 黒い村に旅人が訪れた。

 旅人は尋ねました。どうしてこの村はこんなにも黒いのか。

 村人は応えました。白い色は病気持ちだ。だから、黒いモノだけが村にいていいのさ。

 旅人は呆れて別の村へ歩いていきました。




 先の村では争いが起きていました。

 旅人は生き残った真っ赤な子供に尋ねました。白い村と黒い村、どちらに行きたい?

 子供は言いました。どっちでも良いよ。大きくなったら、僕は別の村に行って商売をするんだから。どっちでも良いんだ。

 旅人は子供の頭を撫でて、どこかへ行きました。




 旅人はやがて、また村へやってきました。

 すると子供が一人倒れていました。

 旅人は尋ねました。どうしてそんなに体中が紫なんだい。

 子供は応えました。どっちの村に行っても、身体が紫になるまで石をぶつけられたんだ。

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